堅実タイプと享楽タイプ

たとえば、人には堅実タイプと享楽タイプがいます。

堅実タイプは「年上の既婚者やヤリチンと遊んだって一文の得にもならぬ。マジメで夫向きの彼氏と結婚するぞ」と二十代前半で決断できる女子。
この手の女子は、そもそも煩悩の数が少ない人が多い。「いろんな男と恋愛して、トキメキやスリルやエロスを味わいたい」とか思ってない、恋愛欲や性的好奇心の少ないタイプ。

ゆえに「私は非恋愛体質だ」と自覚のあるオクテ女子や、「トキメキやエロスは自給自足できる」というオタクや腐女子は、堅実路線が向いていると言えるでしょう。
また、このタイプは「損して得とれ」を実現していたりする。私の友人も学生時代からの彼氏と結婚したのですが、その彼はネルシャツを3枚重ね着して「妖怪襟6枚」と呼ばれていました。無論こじゃれた店など知らず、デートは和民。
そんな冴えない彼も社会に出て経験を積み、公私ともに磨かれ、襟の数も減って「今では『ステキな旦那さんで羨ましい』とか言われる、ビックリだ」と彼女は言います。

一方「先のことより今!今楽しみを味わいたい!今グッとくる男と恋がしたい!」のが享楽タイプ。で、私はこちら側でした。「一度きりの人生、あんなこともこんなこともできたらいいな♪」と思っていた私は、煩悩退治が必要だったのでしょう。

40目前になった今、二十代を振り返り「あんなキツい時代には二度と戻りたくないが、恋愛もセックスもさんざんして、楽しみも苦しみも経験できたのはよかった。幾度も死にかけたが、結果オーライだ」と思います。

若い頃、身を切って煩悩退治したからこそ「ホレたハレたはもういい、家族がほしい」と夫を選べたのでしょう。
享楽タイプは「股が濡れるか」を基準に男を選びがちですが、夫に対して「股はつゆとも濡れぬが、生涯のパートナーはこの男」と決意して、みずからプロポーズした29歳の私。

その選択ができたのは、色んな意味で「やり尽くした感」があったから。それがなければ不完全燃焼でくすぶって、結婚生活はうまくいかなかったかもしれません。