自分が良いと思ったものに飛び込むこと

俺はこういった”別の理由”が気持ちを惑わすことで、“自分の気持ち”に素直に身をまかせられなくなることが本当に怖いことだと思う。

先日、とあるきっかけですごく久しぶりに近藤麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』を読みなおしたんですね。
読んだことがある人は知っているだろうけど、彼女の片づけの極意は「自分がときめくものだけを残す」というもの。不要なものを捨てるとはニュアンスが違います。

ちょっとスピリチュアルな言い分なんだけど、自分が直感的にときめくものを”選択”することで、自分が”本当に好きなものだけに囲まれた生活”を作っていこうって趣旨らしい。

恋愛で言えば、ときめいているのにこれまでの経験でブレーキをかけてしまうことがあるんじゃないでしょうか。
「また同じ失敗をするんじゃないか?」みたいに。でも、結局のところジタバタしているだけで違うかたちで苦しんでいるだけだったりする。
好みじゃない人を好きにはなれないように。

確証を得られないことに右往左往するのはバカらしい。この先も付き合えるからセックスをするんじゃなくて、自分が「今日は一緒にいてもいいな」と思うからセックスをする。シンプルにそれでいいじゃないですか。

これはセックスのことだけを言っているんじゃない。
年齢とか、条件とか、そういった諸々の外部要因を考慮することで、自分の気持ちを覆い隠してしまう考えや行動すべてを言っている。

恋愛の経験から学ばないのは愚かだと思う。でも、それにがんじがらめにされるのはもっとバカバカしい。
上手くいくかどっちみち分からないのであれば、「自分が後悔しないのはどっちか?」って基準で動いてみるのが良いんじゃないかな。

何度も書いてきたように、相手の気持ちを大事にしないのは論外。自分の気持ちを大事にしないのもオススメできない。
唯一、無視していいのは、何の根拠もない「こうしたら上手くいくかも」って思い込み。そんなものは幻想ですよ。

「なんか良いかも」と感じる感性だけは錆びつかせちゃいけない。そして、そこに素直に飛び込める自分を忘れないようにしなくちゃいけないんじゃないかな。

恋愛にかぎらず何事も。

Text/ファーレンハイト
初出:2013.12.05