失敗だと思うかどうかは自分次第

J:『わたプロ』の最後のまとめにも書きましたが、私は木村さんぐらいの年齢でお付き合いしていた男性にこっぴどく振られまして、もう死ぬかもと思いましたが、いまもバッチリ生きています!

木:しかもかっこいいです!
自分で自分をつくっている感じをとても尊敬しています。

J:そうでもないよ! でも、ありがとうございます!
木村さんが今彼と結婚したいという気持ちに嘘はないんでしょう。
ただ、最初の方に自分でも言ってたように「失敗したくない」んだと思います。

木:はい。
何が失敗なのかいまいちわからないのですが、漠然と恐れています。

J:そりゃみんなそうだよ。失敗したい人はいない。
失敗だと思うかどうかは自分次第ですよ。

木:今いちばん幸せだと思っている気持ちを大事にしたいです。
過去もあってこその今ですから。

J:そうそう。
たとえば今彼と別れたとしても、その後自分の人生を失敗だと思うかどうかは自分次第だし、今彼と結婚してつらいことがあっても、失敗したと思わず「過程過程」とふたりでがんばればいいし。
そんで離婚したら「離婚、正解!」ってなるようにまたがんばればいいし。
そういう意味では、元々彼と別れたことを「あれは正解だった」とすることが出来るのも、木村さんだけなんですよ。

木:それは本当にそうですね。

J:みんなが納得する正解はないんですよねー

木:でも、漠然としていた恐怖がはじけたかんじです。

J:それはよかった!
私、失敗に関してとても好きな話があるんです。

 英国ブランドの「キャス・キッドソン」ご存知ですか?
いまでは世界的に知られているけれども、もともとは英国の女性が、ほかの仕事と掛け持ちしながらひとりで小さく立ち上げたお店だったそうです。
ある時、自分の好きな生地で物を作るために、慣れない貿易をやってチェコスロバキアから生地を買ったんですって。
そのときに通訳ミスがあり、「1500メートルの布地ロール」を頼んだはずが、その布を全部使って作った「シングルサイズの布団カバーとピローケース」が大量に届いちゃった。

 返品もできず、かなり大きなお金を突っ込んでいたから、普通だったら大失敗ですよ。
でもキャスは機転を利かせて、布団カバーを切って、そこからクッションやエプロンやポーチやハンガーなどの小物をたくさん作ったんですって!
そしてそれが、期せずしてキャス・キッドソン初めてのコレクションになったと。
それがヴォーグなんかに取り上げられて、知名度があがったんですって。
どう考えても大失敗な話から、大成功を生みだしたんですよ。
このエピソードを知ってから、失敗からも大成功は生み出せると思っていれば、人生はあまり怖くないなと思うようになりました。

木:はい。ものづくりをしていて、同じような失敗たくさんありますが、そのときにも思い起こしたいです。

J:そうだね! だから、失敗は恐れずに。
得体の知れない不安とはうまく付き合って! そんなもの、人は解決してくれんからの。

木:はい、付き合っていきたいです。
自分とも彼とも。ありがとうございます。

J:いえいえ!
木村さんの抱えている不安は彼が原因じゃないよ。自分自身の不安だよ。
だから自分で解決できるよ!

木: 自分で解決できる、ってすごく自信になりますね。

J:できるできる。
では、これからも元々彼のことを思い出したら「ああ、私また漠然と不安になってるだけだな」と思って今彼との関係にフォーカスしてみてくださいませ!
それから、自分の欲しいものを自分で手に入れたことを忘れないでくださいね♪ ありがとうございました!

木:ありがとうございました。