望まれていないことへの口出しは、現状の相手へのダメ出しと一緒
J: いま田中さんおいくつですか?
田: 27です。
J: 結婚について真面目に考えないとな…と思いながら、ぼんやりしている時期ですな。どうすか?結婚。
田: 結婚は周りでしている人がほとんどいないので、あんまり考えていないし、焦っていないですね。
J: 結婚に焦っているわけでもないのに、なんで彼にいろいろ将来の担保みたいなことを口約束させたんですか?
週に5回普通に働いている人なら、それはそれでいいじゃないですか。
田: いいんです、全然いいんです。でも、「今の仕事やめる、他に就職する」って言われて、「ほうほう、それならば」と。
いらんオカン心で望まれてないことを…アホですね。
J: 頼まれてもいないプロデュース、やってしまいますよねー。
私も30代中盤まで気づいてなかったのですが、いらんオカン心で望まれていないことに口出しするのは、現状の相手にダメ出しをしているのと一緒なんですよ…。
そうすると、だいたいは女の方が振られたりするのですが、それでもメゲない元彼さんは、たぶん強度のマイペースさんなので、優しさっていうか、響いてないんでしょうな。 それに疲れたんじゃないの?
田: それ!!!!!それです!!!!!!!!!
何でわかるんですか、凄い!
J: 魔法を使っています(嘘)。ここまでの話で誰でもわかるよ!!!!
田: 私、人に恋愛相談を一切しないので衝撃を受けました。
心のどこかで下に見ている相手とは絶対にうまくいかない
J: 彼と付き合っていて良かったところはどこですか?
田: 人を馬鹿にしない所ですね。私は人に変わり者扱いされるので、何を言っても引かない彼が好きでした。
あと、一緒にいると安心できる。格好つけなくていい。どんな汚い所を見せても平気で好きって言ってくれる。…可愛い可愛い言ってくれる所も好きでした。
J: 田中さん、さては彼をずいぶん下に見ていましたね…。
田: ええっ!!!!!また魔法を!!!!!!!!!
J: チャリラーン♪(杖の音です)。どうすか?身に覚えがなければ、失敬な!と怒ってください。空気読まなくていいので。
田: 最近それに気づいて愕然としていた所です。
J: うーん。下に見る態度をやめて、彼のことを同じ目線で見れば、田中さんの理解者だったということですね。
田: はい。
J: でも、響かない。それは理解者なのか、なんなのか、よくわからなくなって不安になりますね。
田: 恋愛相談怖い…丸裸です。不安でしたね。それで安心したくて行動を求めてしまった。
J: 彼は理解者というよりも、なんでも受け止める度量があったのかも。
でも、受け止めているように見えて、ただ否定をしないだけだったのかも。
田: 否定はほとんどされませんでした。
J: もう一度彼を同じ目線(下に見ない)で見て、彼の極度なマイペースを受け入れてみて。 それでも、まだ彼のことをあまりあるほど好きだし、かけがえのない相手だと思えるなら、ヨリを戻すのはアリだと思います。
田: うぅ…頭の中で絡まってたものが、一回ほどけてまた絡まりました。
J: いいね!その調子!からまりまくれ!
下に見ている相手とは、絶対うまくいかないです。これは、私たち未婚のプロが何回も何回もやって失敗しました。
下の相手と付き合うなということではないです。
(社会的なことや年齢などで)人を下にみるようなことで、安心を得るのはやめろという話です。
田: グサリ!ジャンピング土下座したいです。
J: 一人でそこでやってください!(笑)
社会的立場や年齢が下であっても、ちゃんと尊敬できて、敬意を払えないと、恋愛はうまくいかないんですよね。
恋愛相手を下にみて安心する人は、相手が年上だろうが社会的立場が上だろうが、何かしら理由をつけて下に見ますからの。
田: 人を下に見て、何様やねんって話ですよね。反省しました…。
J: 不安なんですよね。だから、下に見ている人が自分を慕ってくれることで、自分の価値が安定する。その気持ちはよくわかります。
田: でも健康的な関係じゃないですよね。
J: そうなのよ。次の恋愛で気をつければいいんだけどもね。
心のどこかでバカにしてる人が思い通りにならないと、ますます不安が増すというよろしくないスパイラルです。
【後編につづく】
次の恋愛で気をつけるようにいわれた田中さんの心には何か引っかかるようなものがあったよう。
気になる解決編はまた来週!
Text/ジェーン・スー