男と女は共通言語を話す犬と猫のようなもの

山口さん: 恋愛面においても、 「いいよな~、女は。待ってりゃいいし」みたいなのあるじゃないですか。

ジェーン・スー: はいはい

山口さん: それもほんと、私にはきてないだけで、周りの女の子は男性からきてるんですもんね。

ジェーン・スー: ていうか、そういう事を言う男は自分が努力して獲得した意識がある物を貴重に思う傾向にあるから仕方ないじゃんって話ですよね。

山口さん: 深いい。

ジェーン・スー: 「いいよな~、男は。自分からガンガンいっても受け容れてもらえて」っていう話で。

山口さん: ほんとそうなんですよ!!!! 
私好きな人にはちゃんと言うんですけど、ふられたことしかないので、女からいけば普通OKだろみたいなのみるたびにね…。

女から「キャッチャーミットここ!」とミットをパンパン叩くように

ジェーン・スー: 自分から言って付き合ったことも、言われて付き合ったこともありますが、言ってもらった方が長続きしましたね…私は。

山口さん: 言ってもらうという段取りがまだよくわからなくて…。
下の名前から勉強しますね…。

ジェーン・スー: 鈍感な男でも、女の好意には勘違いするほどに敏感ですから、
キャッチャーミットここ! ここ!ってパンパンってするぐらいの感じで、わかり易く好意を示すと伝わると思いますよ。
好意が伝わっても先方からアクションがなければ、先方にその意思がないんじゃないかなと私は思ってます。

山口さん: リーリーリー!
えええええええ、そうですか…。

ジェーン・スー: けん制してどうする>リーリー
あのね、私もこれ納得するまでに凄い時間かかったんですけど、振り返ってみると、やはりそういう傾向はあって。
もうこれはね、いいとか悪いとかじゃなくて性質の違いだから…。

山口さん: なるほど…。

ジェーン・スー: 男と女は喋る犬と喋る猫ぐらい違うと私は思っています。
たまたま共通言語を持ってる犬と猫なんじゃないかと。
ボール投げて追いかける性質と追いかけない性質ぐらい、男女はまるで違うんですよね。
性差の均一化を図ってもあんまり意味ないっていうか、個体差とはまた別の性差をお互い知らないで怒ってたら一生終わっちゃうよと。

山口さん: 私ときたら、本当に時間を無駄にしていますね。
全部、ムダだったんや…! 気づけてよかった…!

ジェーン・スー: 私もいまの考えに至るまでには紆余曲折があり、今は戦地からの帰還兵みたいな気分ですから、どこに地雷が埋まってるとかそういうのをこれから戦場に行く人にお伝えできれば本望。

山口さん: よくぞご無事で…。ありがたいです。

ジェーン・スー: 恥ずかしながら生きて帰って参りまして。
(これわかんないだろ20代の女…)

とにかく生き物としてすんごい違う人に、違いを認めずやいのやいの言ってもあまり誰も得をしないんです。

女が怒っていると男は逃げたくなる

ジェーン・スー: あと、男の人は女の人が怒ってると「怒ってる」っていう印象で止まってしまう傾向があり(もちろん例外もいますけども)
なぜ怒っているのか? どうしたらいいのか? ああは言ってるけど本心はどうだろう? とか、そこまで考えが及ぶ前に 怒ってる!⇒怖い!⇒逃げたい!なんとかしたい!
で止まっちゃうことがままあるので、伝えたいことがあるときはあんまり感情的に怒んないほうがいいなというのが私が行ってきた戦地からのご報告です。
仕事で舐められてるとかなら冷静に怒るのはアリかと思いますが。

山口さん: >怒ってる!⇒怖い!⇒逃げたい!なんとかしたい!
これ超ありそうです。気をつけます。本当に。

ジェーン・スー: 話を戻すと、私もプライベートな場面で自分を下の名前で自己紹介するのがうけつけられなかったのですが、 友達の友達の輪に入るときに下の名前で自己紹介する女も結構いるのを見て なるほどーと。
もちろん「けっ! やってられるか!」とも思ったのですが、
よく考えたら下の名前も名字と同じように生まれた時からついてる自分の名前だし、
まぁ別にそこまでこだわる理由もあんまりないなと思い、
リハビリがてら仕事以外では携帯メールの署名を下の名前にしてみたんですよ。
それなら勝手に自動的に付きますから。

山口さん: へええええ。

ジェーン・スー:そしたら別にどってことないっていうか、
「ちょwww 下の名前www」とか言ってくる人は特におらず、あーフツー。

山口さん: たしかにwww 絶対いないwww

ジェーン・スー:ガッチガチに構えてたのは私だけだったーっていう。

山口さん: ちょっと恥ずかしい……。

ジェーン・スー: わかる、わかりますよ。
女としてよりも、私を人間として見て欲しいし、それで魅力を感じてくれる男の人の方がいい!という思いも十分理解できます。私は長い間、人間としての自分の魅力と女としての自分の魅力を二項対立で考えていた節があって、それでちょっといろいろややこしくしちゃったんで、そこは両立するとお伝えしたい。

総評

ジェーン・スー: まとめます。
まず、華子さんは社会的に一般的に、そろそろこうしないとマズイ…! という社会圧と自分の欲がいっしょくたになっているので、社会圧を忘れて、自分の気持ちの棚卸と仕分けをお勧めします。
ずーっと蓋をしてあった倉庫をあけて、蓋の中の想いや願いを叶えるためには、どう自分が振る舞ったら気分が良いのかを考えてみてはどうでしょうか。
頭が良い方だと思うので、素直になればすぐわかると思います。
結構キツい作業ですけれども、それをやると後がずっと楽かと。

 で、男性に可愛がられたかったり、愛されたかったりする気持ちがあるならば、そうされないように今まで張っていた予防線をひとつずつ外していく。
それで状況の方が勝手に変わっていくと思いますよ。
そしたら「彼氏作らなきゃ!!!」ってならないでもできると思います。
全然心配なーい。
 以上です。

山口さん: うわー! ありがとうございます

ジェーン・スー:100000%心配ないです

山口さん: なんだかとっても納得。
おおお、お墨付きありがとうございます…!

ジェーン・スー:だいじょぶだいじょぶ。
素直、難しいけどやってみるとこれがいちばん簡単ですから! マジで!

山口さん: これテーマとします! 素直!
ありがとうございました!

ジェーン・スー:ではまた! どこかで!
【完】

 次週は、「入社2年目だけど仕事を辞めたくてしかたがない」という相談をお届けします。

Text/ジェーン・スー

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