猥談をやろうと思えたのはAMのおかげでした/佐伯ポインティ

編集部に行ったのは会社をやめる直前

AMの編集部にはじめて行ったのは、8年ほど前。会社をやめる直前でした。

当時の僕は「男尊女卑じゃない、楽しいエロ」という非常にざっくりしたテーマで起業を考えていて、AMの連載や記事内容に勝手に親近感を感じて、いつか一緒にお仕事をしたりコラボするかもしれないと思い、ご挨拶させてくださいと連絡したのです。

そのときの僕は、興味のあるテーマと退職する意欲しか持っておらず、具体的に何をやるかのプランもありませんでした。そのあとに、猥談バーという猥談をする会員制のバーや、猥談をテーマにしたYouTubeをやることになるのですが、当時はそういった企画の種すらありません。

よくわからないやつが来て、エロにまつわる事業をやっていこうと思うと宣言しにきてるだけなので、意味がわからない時間なのですが、編集長の金井さんと編集者の石島さん含む、AM編集部の方々は優しくフレンドリーに対応してくださり、なんならちょっと応援する空気も醸し出してくれました。なんて懐が深い編集部なんでぃ…と思いました。

猥談バーがスタートして一年

そこから、猥談バーがスタートして1年ほど経った頃。「猥談をするバー」というコンセプトを珍しがってもらい、いくつかのメディアに取材されたのですが、とうとうAMからも取材の依頼が。念願かなって、という感じですが、AM編集部の企画は他の媒体とはやはりひと味違いました。

「猥談ってなに?」とか「猥談バーってどんなところなの?」という入口っぽい企画ではなく、「猥談のお作法」として「セックスの話をもっと楽しむために、どう猥談すると盛り上がるか?」という、人が猥談をする前提の企画だったのです。

その奥まった前提のおかげで、“お互いが「この人とエロいことしたいな」って思ってるときに話す猥談と、ただ猥談がしたくて話す猥談は別モノだと思う”という、かなり細かい違いの話もできました。エロがられたい猥談とウケたい猥談の違いまで細かく聞いてくれる人はいなかったので、さすがAM編集部…エロに対する熱量が違う…!と嬉しくなりながらインタビューに応じたのを覚えています。

そのインタビューが盛り上がったおかげで、「猥談がしたい人を、急に実際のエロいことに誘うのは、皆で鍋をつついてたのにいきなりあーんしてくるようなもの」というたとえも、会話の流れで出てきました。このたとえは、それ以降いろんなところで猥談と性欲を混ぜるのはアカンという話をするときに何度も何度も使わせてもらいました。いいインタビューって、その後の会話の財産になるんですね。きっとAMでエロにまつわる話をした人も同じように思ってると思います。

ショート動画やYouTube番組よりも、インターネットでweb記事を読んでいた人が多かった、webメディア全盛期。恋愛系メディアは多かったけど、AMは性愛のこともガンガン記事にしていて、そこが本当に魅力でした。そんなweb媒体、他になかったです。

しかも赤裸々なだけじゃなく、面白いし大事なことだから恥ずかしがらずに語ろうという姿勢にはとても影響を受けました。僕が猥談というジャンルをやろうと思えた理由のひとつは、間違いなくAMです。

編集部のみなさま、長い間お疲れ様でした。

こうやってサービスが終了して記事が読めなくなってしまうのは1人の読者として寂しい気持ちもありますが、AMという媒体から届けられた恋と性にまつわるメッセージは、きっと読者の心の奥で響いていると思います。まだまだ猥談をしていくつもりなので、勝手に意志を引き継がせてもらいます!!本当にありがとうございました。

Text/佐伯ポインティ