女性独特の恋愛観を描いた恋愛エッセイ『おとこの左手、薬指』、長編小説『me&she』など、実体験に基づいたリアルで切実な女心を描く作家のLiLyさんに、「本命女」への道を伺いました。
【第1回から読む】
◆「結婚=本命女」とは限らない!
“本命=結婚”は浅はかな考え?
―まず、“本命女”の定義って、どんな風に考えていますか?
LiLyさん(以下、敬称略):一般的に、“結婚してもらえる女=本命”、“身体だけの女=都合のいい女”というような使われ方が多いと思うのですが、例えば、大奥みたいに、“本妻”になっても、その後で彼が愛人とのセックスに溺れれば、心の位置としての本命=愛人ってことになるし、“本命=結婚してもらうこと”と定義してしまうのは簡単だけど浅はかかなと思います。大奥でなくても、結婚して、妻が家事や育児に追われているあいだに夫が愛人と恋愛やセックスを楽しんでいれば、都合のいい女=妻ということになりますもんね。
本命というのはポイントポイントではなくて、常に相手が自分のことを第一フォーカスで見てくれることが理想なわけですよね。
―お話を聞いてはっとしました。今までどうしても「結婚=本命」と考えていて…。
LiLy:20代の頃は、「男は“今”だけを見ているけど、女は未来のことまで考えている」っていう共通認識のようなものがあって“私たちは未来も視野に入れてるもんね〜! だから複雑になるんだよね〜”なんて得意の上から目線で(笑)みんなと言い合っていたんですけど、実はその“未来”が「結婚して出産する」ってところまでだったんだって最近気付いたんです。その後のことは未知すぎてあまり想像もできなかった。
そうなると、結婚さえすればゴールってつい思いがちなんですけど、そこからが本当のスタートなんですよね。だからこそ、「結婚してもらうこと」に重きを置き過ぎないほうがいいと思います。
特に、女の子たちの“下から目線な婚活”はキケン。
「結婚したいと思われたい」→「嫌われないような優しい態度で、家事や料理を頑張る」→「穏やかな性格と家事能力が認められて結婚相手に選ばれる」→「結婚」→「家のことを何もかもすべて任される」→「ちょっと大変……」→「なんで? 君は優しくて家事するのが大好きな女性でしょう?」→「え、私、都合いい女?」みたいなことになりがちだからです。