「目は口ほどに物を言う」とは

目つきとは、口で言うのと同じくらい気持ちを表現することが出来る……ということわざです。まずは視線を送る、と言うよりも相手を観察するところから始めましょう。ただし、凝視はNGです。威圧感を与えちゃうので、なんとなーくぼんやり見る程度で。例えるなら、眼科で機械の中の気球とか家を見てピント機能を測る検査がありますけど、「ぼんやりと眺めてくださーい」って指示される、あの見方です。

ぼんやり眺めていると、その男性が「話しかけウェルカム」な状態なのか、はたまた「独りでしっぽり飲みたい」って状態なのか、なんとなく見えてくるはず! そして後者タイプであれば、逆ナンは諦めましょう。塩対応されるリスクが大なので。

バーテンダーさんの力を借りる

ぼんやりと眺めているうちに目が合えば、そこから会釈して……って流れに持ち込めますが、そう上手くいくとは限りません。その場合は、バーテンダーさんのチカラを借りましょう。チカラを借りるというか、正確に言うと対象男性がバーテンダーさんと言葉を交わすタイミングを待ちましょう。

んで、何かしらバーテンダーさんとの会話が始まったら、しばらく耳を傾けて、さりげなく入っていくのがスマート。

バーテンダーさん「今日はいつもよりも早い(来店)ですね」
男性客「日帰り出張先から直帰できたんですよ」
バーテンダーさん「どちらに行っていたんですか?」
男性客「埼玉の熊谷です」
自分「……熊谷、やっぱり暑かったですか?」

……みたいなカンジで。むろん、上記例のように上手くいくとは限りません。待てども暮らせどもバーテンダーさんと会話する素振りが見受けられないパターンもあるでしょう。その場合は、自分がバーテンダーさんに話しかけ、そこから誘導する作戦もアリ。

自分「私、初めて来たんですけど一人で来店するお客さんも多いんですか?」
バーテンダーさん「確かにお二人連れよりはおひとり様のほうが多いかもしれませんね」
自分「一人でもすっごく居心地が良いですものね!」
バーテンダーさん「ありがとうございます」
(この辺りで男性客に対して)「よくいらっしゃるんですか?」

……みたいなカンジで。バーテンダーさんを介さないのであれば、「何、飲んでいるんですか?」が鉄板かな。どう見てもビールであると一目瞭然の場合でも、そこは気にせず果敢にトライしましょう。成功を祈っております。

Text/菊池美佳子