恋で見る『ゼルダの伝説』。私がパーヤであいつがリンクだった頃

演劇モデル長井短

当方現在、ゼルダの伝説『ディアーズオブザキングダム』に絡めないと何も話ができない状態です。ハイラルを救うことが至上命題であります。
そうは言っても、地球も私に対して強い引力を働かせていて、現実的に向き合わないといけないこと、無数にあるよ…! 間を取る意味で今回は、ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド(=ブレワイ)ティアーズオブザキングダム(=ティアキン)に登場する女性キャラクター「パーヤ」に焦点を当ててコラムを書いていこうと思います。

ごめんな、こんな勝手なことして…しかもこの記事は「パーヤとその周辺環境」に関してのネタバレを含みます。メインストーリーのネタバレはしないけどパーヤはガンガンネタバレするので、全国のリンクの皆さんは気をつけてください。

好きぴと趣味を揃えたい

まず、ハイラルに行ったことがない人のために「パーヤ」が何者なのかを説明しよう。パーヤはカカリコ村という人里離れた村に住む女の子。正確な年齢はわからないけれど、十代後半くらいなのかな? というのが私の所見です。彼女はカカリコ村の族長「インパ」の孫娘として『ブレワイ』に登場する。長い白髪を棚引かせる姿はとても美しく、人気キャラクターであることが一目でわかる風貌だ。私ことリンクがカカリコ村へ行き、初めてパーヤと会った時。彼女は頬を染め、リンクこと私に一目惚れした。あれは私の勘違いではないと思います。恥ずかしがり屋で内気なパーヤは、私に積極的にアプローチをすることはないけれど、いつでも話しかけられる距離にいた。男性に慣れていないパーヤなりの、精一杯のアプローチだったんだろうなぁと思う。

ストーリーを進めるごとにパーヤとの距離は近づき、色々あって「パーヤの名前の由来」や「体に特徴的な痣があること」「それがどこにあるか」などを知ることになる。パーヤは終始照れたようなリアクションを続けるが、リンクとの距離が縮まっていくことを嬉しく思っているようだった。

さて、次は『ティアキン』でのパーヤだ。『ティアキン』は、『ブレワイ』のエンディングから時が流れた世界である。登場するキャラクターたちの風貌がそこまで変化していないことから、十年後未満の時間経過だろうと推測している。かつて、リンクに片想いしていたパーヤ。彼女は元気にしているだろうか…告られたらどうしよ……などとワクワクしながらカカリコ村へ行くと、そこには族長となった少し大人のパーヤがいた。
立派になって…私は、あのおどおどしていたパーヤが責任ある立場に就いたことを嬉しく思っていた。同時に、今のパーヤならリンクにアプローチも可能では? とも感じ、ドキドキしながら声をかけると…冷たいのである。返事はしてくれるし労ってもくれる。
しかし、数年前のような親しみや好意は微塵も感じられない。それどころか、あまり話しかけてくれるなよ、という牽制のようなものまで感じた。これは一体どういうことだ? 不安に思い村を歩き回ると、そこには見知らぬ半裸の男がいるのである。こ、こいつか?! パーヤ! 今はこいつが好きなのか?!?! 疑問は、ストーリーが進むにつれ確信へと変わっていく。

タウロという名前のこの男は考古学の勉強をするとても感じの良い男なのだが、なんとパーヤも考古学の勉強を始めているのだ。完全に、好きぴの趣味に翻弄されている。思えば私にもあった。気になる人が好きな作家の本を読むだとかやり込んでるゲームをやるだとかジャズに興味を持つとかな…あぁ恥ずかしい隠れたい……動機の不純なその興味は、勿論後々きちんと身になったけれど、あの頃を思い出すと痒くてたまらない。
そうかパーヤ。お前もそうか。少し大人になってアプローチできるようになった君は今、好きな男の仕事に関わることで好かれようとしているんだね。頑張っているね。と、してもだ。だからってリンクに冷たくする必要はない。別に、元恋人でもないんだし、普通に接したら良いと思う。てか勇者だからねリンク。リスペクト持と? 普通にしよ? 普通になんてできねーよなパーヤ!!!!