彼女は、私のお願い通りNYの地下鉄とバスの乗り方を教えてくれました。
その後、掲示板で話をしていた他の日本人男性も合流し、彼の案内でマンハッタン高層ビルの屋上にある回転するレストランに行ったのでした。

　初めて体験する時差ぼけと、365度回転して摩天楼の夜景が丸見えのレストランで目をまわしながらオレンジジュースをちびちび飲みました。

　その日本人男性は20代半ばのビジネスマンだったでしょうか、ヨレヨレのスーツに薄汚れたペラッペラのリュックサックを片手に、「10年後に自分がどうなりたいかを考えて生きてかなくちゃ」と力説して、またマンハッタンの街に消えて行きました。

　いま思えばなんて手みやげの一つも持って行かなかったんだろう、と後悔しています。
見ず知らずの大学生を迎えて親切にしてくれた方々に、感謝してもしきれません。

　他の日にも、NY在住でブログをもつ日本人のおじさまとも連絡を取り合い、案内してくれる事になっていました。

　ホテルの部屋から彼に電話すると、日本語が聞こえて安心…かと思いきや、おじさまは「じゃ、ホテルの前まで車でいくから待ってて。なんだかブラインドデートみたいだね（笑）」と言ったのです。

　ブ、ブララインド・デート…ってなに？？？

　この電話を終えた後、私はなんて馬鹿な事をしてしまったんだろう、と思いながらずーっとおじさまの車が来るのを待っていましたのです。

　もう、ドキドキしっぱなしの初海外。

　まだまだ続きます。

Text／中村綾花

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