婚活に必死になって見落としがちな結婚後の問題

中村綾花 AMパリ支局がお送りする 結婚と幸せの方程式 フランス 純愛 dungpham304

結婚をする前までは「結婚ってどうやったらできるの!?」ということが、最大の関心ごとだった。

結婚をするには明確なルールやマニュアルがあるようで、ない、とつくづく感じていた。

それがいざ結婚してからというもの、今の最大の関心ごとは「どうやったら平穏な結婚生活を長続きさせることができるの?」に変わった。

結婚生活数十年というカップルに出会うと、「長続きの秘訣は?」という質問を、答えが聞けるまで食い下がって聞く程だ。

それは結婚前に、誰にも聞いた事がなかったことであり、全く未知の経験だからだ。

結婚をする前は、結婚をすること自体に必死になりすぎて「結婚」ってものがどういうものかを考える余裕がなかったことに今さら気がつく。

他人の結婚生活のスタイルについて知っているのは、両親と祖父母の2パターンのみ。たった2つしかリアルなモデルを知らないので、それがいい感じのスタイルなのか、自分らしいものなのか、そうなりたいか、なりたくないか、と考える指標にするには不十分だ。

日本に帰国するたび、職業がらか、こちらから聞いてもいないのに40代くらいの先輩方に、彼ら彼女らの「結婚失敗談」を話してもらう機会が増えている。

彼ら彼女らが語るのは「結婚はしたものの、うまくいかなかった。続かなかった」という話。

「結婚はするもの」だと頭にインプットされているのに、「結婚はどうやって続けるのか?」を知らない人が、私だけじゃないことがわかる。

当然のごとく、結婚をうまく続けて行く方法がわからないまま、結婚を終えてしまう人もいるのだ。

婚活に必死になっていた時に、こうした話しをもっと聞いておきたかったと思う。

当時「結婚」というものが私の目下人生のテーマであり、「結婚」しさえすれば、将来の不安や孤独から解き放たれるとばかり思っていた。

結婚した今の私から、独身時代の私に会うことができるのならば
「結婚したから幸せになれる」とは限らず、「結婚」はあくまで人生のスタイルの一つでしかないこと。

もちろん、結婚に良い点もあるけれど、悪い点もあること。
そして、結婚とはするより続けることの方がもっと大変かもしれない、ということをしっかり伝えてあげたい。

Text/中村綾花