人の生き方のヴァリエーションが少なすぎる、日本
私が結婚して以降、帰郷する年ごとに、となりのお姉さんの 軽自動車が毎日家の前に駐車されているのを見て、今年もまだ両親と生活しているんだなと思い、なぜか暗い気持ちになっている私がいます。
別に彼女は「結婚したいのにできない」人かどうかなんてわかりもしないのに、「結婚できずにかわいそうだ」と決めつけてしまう空気が近所中に漂っているのです。
彼女本人は、両親と一緒に生活をしていることが幸せだと感じているのかもしれないし、結婚なんてしたいとも思わない人かもしれないのに、です。
日本に戻ってくると、東京であっても「人の生き方のヴァリエーションが少なすぎる」ことに気がつき息苦しくなります。地方なんてなおさらです。
私はいま、なんとか日本を出て結婚をしているけれども、日本をでていなかったら、東京から九州の実家に戻って、独身のまま両親と暮らしていたかもしれません。
だからこそ、なんだかとなりのお姉さんの存在が無視できないというか、どうしようもできないのに、いつも気になってしまうのです。よけいなお世話なんですけどね。
Text/中村綾花
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