「子宮なんてただの臓器」

迷い始めたわたしに、前掲のアルテイシアさんの連載コラムが飛び込んできました。ちょうどその頃、ほかのWeb記事でも子宮全摘について書いているライターさんもいて、グイッと背中を押されました。

そうだ!子宮を取ろう!
と、自分の中で子宮全摘キャンペーンが始まりました。
ダンナはじめ友人や母に「子宮、取っちゃおうかな」と話してみることから。自分の現況と、知り得た子宮全摘のメリットと不安なことを伝えてみると、「子宮全摘反対!」な人は誰もいませんでした。
そっか、子宮を「女の象徴」なんて思って固執していたのは自分だけだったのかも……と、もうこの頃にはすっかり「子宮なんてただの臓器」という感覚になっていました。

あとは、手術のタイミングだけ。
約10日間の入院と、退院後も思うようには動けないようなので、小学生の子がいるわたしは夏休み期間に手術をするしか選択肢はありませんでした。
それで昨年の秋頃の受診の際に、手術の仮予約を入れました。
これであとは手術を待つだけ!……ではなかったのです。

手術に至るまでの「疑似更年期」

10cm以上に育ってしまった筋腫を、手術までに少しでも小さくしておくために、半年間、生理を止める注射を1ヶ月毎に打ちました。
腕への注射だと思ったら、お腹でした。普通の注射は全然怖くないわたしですが、お腹は怖い!しかも、ウソ!っていうぐらい痛い!
後で調べたら、針が太くて有名な薬でした。下腹部の皮下に小さなカプセル状の薬剤が注入され、そこから少しずつホルモン剤が染み出てきて、生理を止めるのです。
そして、予想外に費用が高い……保険適用だけど1回9000円ぐらいでした。

でも、わたしはこれで生理卒業だ!とちょっとウキウキしていました。 ちょうどナプキン使い終わるし、買い足さなくていいんだ♪と思っていましたが、甘かったです。 次の月も生理痛と共に出血があって、慌てておりものシートを装着したけど、けっきょくナプキンを買わないとダメでした。いきなりパタッと終了!ではなかったのですね。

そして、注射を受けている半年間、ずっと悩まされたのは、更年期のような症状です。
ホットフラッシュ、肩や背中と節々の痛み、抜け毛。
特に肩や背中が痛いのはつらくて、マッサージに通うほか、産婦人科で漢方を処方してもらいました。
薬で生理を止めるというのは、擬似的に更年期を起こしている状態なので、しょうがないのですね……。
じゃあ子宮を取ったら更年期は来ないのかと思うかもしれませんが、ホルモンをつかさどる卵巣は摘出しないので、時期が来ればまた更年期の症状はやってくるそうです……残念!

Text/みぃみぃ