アラサー思春期の症状その3「独り身に不安を覚える」

これは大問題。
実家で暮らしている間はのんきに「たくさん稼いで保護犬たちとのんびり暮らせれば人生それでいいや」と思っていたけれど、仮に保護犬を飼ったとして、飼い犬の死に私は耐えられるんだろうか?
飼い犬が亡くなったときにもしも自分がヨボヨボになっていたら? 仮にまた新しく飼ったとして、自分が先に死んだとしたら残された犬はどうなるか? 任せられるような人が自分にいるだろうか?
問題が次々出てきてしまう。やっぱり動物って人間の寂しさなんかで飼うべきじゃない。
そもそも「たくさん稼いで」ってなんなんだ。たくさん稼げる未来なんてあるんだろうか。仕事を続けていけるのか? イラストレーターだけでたくさん稼ぐって相当一握りなんじゃないか? 今だって別に、ギリギリ生活できていない気がするのに……。

仮に犬無しコースで人生をやるとして、一体なんのために働くのか。別にやりたいことや欲しいものもないのに、何にお金を使っているのかわからないけれどお金は稼いだ分きっちり全部毎月使っちゃって、なんだか家賃や光熱費の支払いに追われて、クレジットカードの引き落とし額に毎月脅かされて……そもそも欲しいものなんて自分にはない気がする。

と、こんなふうに不安が尽きない。この症状3はとっても深刻なのだ。

思春期は病気ではないので治療法や薬はない。ただ、おさまるのをじっと待つだけだ。
30を過ぎるといろんなことがどうでもよくなるよ、と色んな人から聞いたことがある。(女の人でこれを言ってるのは見たことがないけど)
今こうやってあれこれ悩み苦しんでいることも、30になった途端きっと魔法が解けたように気にならなくなるのだろう。そう思うと年を重ねることにポジティブになれる気がしなくもない。楽しみだ。

Text/oyumi

初出:2021.12.09