繰り返される日常は、自分の手で変えられる
……と、最初の印象はそんなものだったんですが、部屋でぼーっとしているとき、「ああ、私って今、タイムループとそう変わらない日々を過ごしているんだな」と気づいた。毎日毎日、うんざりするほど同じような日々を過ごしている。退屈だとは思わない。むしろ、慣れてしまった。別にこのままでもいいのかもな~なんて考えていた。さらには、25日から3度目の緊急事態宣言の発令、酒類提供の終日禁止、映画館や美術館になぜか書店まで営業停止の要請が出ているらしい。たまに好きな居酒屋でお酒を飲んだり、週末に映画館へ行ったり、大量の書籍を買って読むのが私の息抜きの方法だったから、同じような日々を淡々と繰り返している感覚はますます強いものになりそうだ。
たしかにこの日々は人との関わりも劇的に減ったから、傷つく機会も、悲しみの感情を抱く機会も、その分だけ減った。「このままでいいのかな」「私って、本来もっと狭い世界で生きるべき人間なのかも?」と思ったりもした。でも、たぶんそんなことないよね。私も『パーム・スプリングス』のヒロインであるサラにならなくては。いや、もちろん予防対策をしながらなのでかなり難しいのかもしれないが、やっぱり自分の何かを変えたいと思うのなら、自ら動かなくてはだめだ。
そう思うと、この作品はタイムループものというわりに(?)、そこから抜け出す手段がやけにリアルだったのもよかったと改めて思う。万が一私がタイムループのサイクルにはまってしまったら、この映画のことを思い出して同じ手段を取るだろう。そういった面でも、誰にだって可能性は秘められていて、条件が揃い、努力し続ければ、自分の繰り返される退屈な日々は変えることができるというメッセージが込められている気がした。
未来がどうなるかなんて誰にもわからない。幸せが待っている人も、そうではない人もいる。「もしも」「万が一」を考えると、一歩進むのは怖くなる。今、あまり困っていることがないのであれば、このままでもいいんじゃない? と考えてしまうこともある。でも、駄目だよな。こんなんじゃ。よくない未来が待っていたとしても、動かなくちゃ。単純に毎日つまんないし。やっぱり、自分の予想しない出来事がたくさん起こる毎日が私は好きなんだと思う。自分の想像を超える出来事や未来への楽しみがない今の生活を、少しずつでも変えなければ。さっさと、タイムループしているような変わらない毎日から早々に抜け出したい。
とりあえず、予定がほとんどなくなりそうなGWのスケジュールを組むことからはじめるとするか……。
Text/あたそ
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