「キモチワルい」をやめて気づいた弊害

「キモチワルい」と思ったら、すぐに「どこがキモチワルいのか」を考えること。すると「キモチワルい」が解体されて、その底にある正体が見えてくるので、それを言語化すればいい。
これにて「キモチワルい」、封印成功! と思ったのもつかの間、一方で困った問題が発生しました。というのも、これまで「キモ!」の二言で済んでいたディスが「不潔で挙動不審で怖いよね!」といったふうに、客観性を帯びてかつ、辛辣な雰囲気が漂うものとなってしまうのです。

そう、そもそもギャル言葉というのは、発する者が強気な攻め姿勢であることを前提としているからこそ、受け取り側によってどうにでも解釈できる大雑把さのある、ある意味で“逃げ道”のある言葉遣いなのです。だからギャルメンタルのまま、クリティカルヒットな言葉を使っては、相手に急所をダイレクトに攻撃することになってしまう! あっちを立てればこっちが立たず、こっちを立てればあっちが立たず。いや、そもそも人様を蔑するのはやめろって話ですが……。

Text/大泉りか