『部』は新しい居場所になる

さて、最近強く思うのは、コミュニティの大切さです。つらくて誰かに愚痴を漏らしたいとき、ぱーっと気晴らしをしたいとき、なんとなくさみしいとき。話を聞いてくれて、気分転換するための手助けをしてくれる、ゆるいコミュニティが人生には必要不可欠ではないかと思うのです。

しかし居心地のいいコミュニティを見つけようとしても、そう簡単にはいかないし、かといって作ろうとした場合、運営の責任がのしかかってくることを考えると、なかなか気軽にはできない。だからこそ、すでに親しくしている人たちと遊ぶときに、『部』と名乗ることは意義があるのではないか、友人との定期的な飲みの会などに、あえて『部』とネーミングすることで「自分には、家庭や職場以外にも居場所がある」という意識を持つことができるのではないかと思う次第です。

また、『部』と称するもうひとつのメリットは、知らない人への自己紹介にもなること。「わたし、『見境なし部』の部員なんです」というと、まず興味を持ってもらえるし、キャラクターもわかりやすい。「わたし、ヤリマンなんです」だと「わたし、ドMなんです」に通じる相手への媚びみたいなものや、ちょっぴりウザい自己アピールが滲み出てしまうけれど、『部』と言えば、他にも部員いるという前提が立つために、厭味さが減るような気もします。来年はなにか、新しい部活動を初めてみたい……せっかくならばオナニー部を、再始動させるべきでしょうか。ううむ。

Text/大泉りか