「オナニー部」を始めるべき?ゆるいコミュニティが人生には必要だ

エロ業界人が集まるバーでできた『部活』

わたしはかつて『見境なし部』の一員でした……というと、多くの方の頭には、クエスチョンが浮かぶことと思います。『見境なし部』なんて部活動がどこに存在するのか。そもそも『見境なし部』とはいったい何の活動をする部なのか。

実のところ、本当には存在はしないのです。もっともらしく『部』なんて名乗っているものの、これは20代の頭の頃に行きつけにしていたエロ業界の人間が集まるバーで、男女見境なく絡んでいっては、アレコレしているわたしに向けて、そのお店の常連だった女性客が「『見境なし部』だね」と属性を付けただけのこと。他に部員はいないし、なんらかの決まった活動があったわけでもありません。

しかし当時、その店に存在していたのは『見境なし部』だけではありませんでした。『節操なし部』もあったし、あとは『アバズレ部』、『オナニー部』、『映画部』とかもあったと思います。『見境なし部』や『節操なし部』の活動はあやふやでしたが……というか、そのふたつに差異そのものがあまりない気もしますが、強いて言うならば『見境なし部』は攻撃的なヤリマン姿勢、一方で『節操なし部』は、誰かに絡まれると節操なく喜んで受け入れるというスタンスだったように思います。

そんな、名前こそあれどはっきりとした活動実態のない『見境なし部』、『節操なし部』とは別に、『アバズレ部』は「アバズレらしい恰好で集まる」という活動があったようです。わたしも兼部していた『オナニー部』については、あらかじめ日時とおかずを決め、それぞれ遠隔でオナニーをするという定期活動があり、そのおかずは仲間内から選ぶ……要するに持ち回りで部員のひとりをおかずにして、他のメンバーがオナニーに励み「オナニーしたよ」と後日報告するという、リモートセックスの先駆けのようなことをしていました。

『映画部』については、映画を観に行くという至って平和な活動をする部活でした。エロを目的として集ったとしても、そこに集うのは生身の人間である以上、もちろんエロ以外の属性もあり、その部分がマッチしてさらに新しいコミュニティが生まれることもある。実際、ハプニングバーの常連客だという人から「うちのハプニングバーの常連客の中で登山が趣味の人たちが集まって、たまに山に登る」という話を聞いたこともあります。