口汚さは直すべき?いざというときに便利なのも事実

「直したほうがいいんだろうなぁ」と思いつつも、矯正することなくここまで来てしまったことがひとつあります。それはしゃべり方の癖です。漫画家のドルショック竹下さんに『早口先輩』というあだ名をつけられるほど、わたしのしゃべり方は早口で、しかも活舌が悪く、さらには声もデカい。そして低い。ダメ押しで言葉遣いも汚い。なにからなにまで、まるっきりかわいげがないことは自覚しているのですが、けれどもそれはそれで「人に舐められにくいからいいか」という気持ちもあります。

なので、しゃべり方と声色については、もう直す気もないのですが、言葉遣いの悪さは、直せるものなら直したい。だって「昼メシ食いすぎた」とか「あいつ、マジでクソ」とか「うっせぇ」とかって女性の色香を描くことが生業の官能作家としては、決して褒められた言葉遣いではないと思うのです。
しかし、普段からひどい言葉遣いをしていると、いざというときに便利なのもまた事実。なんせ言葉というのは、使い慣れていないとなかなか口から出てこない。日常的に口汚い言葉を使っているおかげで、酔っ払いに絡まれたり、セクハラされそうになったり、なにか嫌な言葉を言われたときには、反射的に対抗する言葉を出せるという利点もあるのです。

普段はお上品に話し、いざというときに相手をすくませるクリティカルな文句を出せれば一番いいのだろうけれど、その自信がないわたし。嫌なときに罵倒の言葉が出てこなくなるかもしれないリスクを負ってお上品な言葉遣いを心がけるか、それとも今の生活にさして支障がいない以上はこの言葉遣いで通し抜くかを、迷いあぐねているわけです。そしてさらにもうひとつ困っているのは3歳の息子の言葉遣いです。