綾野剛の代えがたい存在感が光る!
綾野剛さんは元々独特な雰囲気のある俳優として無二の存在だなと感じていましたが、追いかけるともなく出演作を観るごとに、もしかしてこの方は……役者バカ……?と驚かされることしきりな静かに熱いアクターです。(もちろん100%称賛です!!!)
特に明確に「伝説が始まってしまったのでは?!」と全米ならぬ全私を騒がせたのが2016年の公開作4つ。『リップヴァンウィンクルの花嫁』『64-ロクヨン-(前後編)』『日本で一番悪い奴ら』…など作品としても演技的にも見ごたえのある映画ばかりですが、「他の誰にもできない」と強く感じさせられたのは『怒り』の綾野さんでした。
『怒り』は残虐な殺人事件を起こしながらも一年以上逃亡を続けている指名手配犯の存在を背景に、日本の異なる三都市に現れた「素性の知れない男」の存在が関わる人々の心に疑念の波紋を呼び起こすという、サスペンスフルな群像劇です。
綾野さんが演じるのはストーリーのキーとなる「三人の男」の一人・直人。新宿二丁目で彼と出会ったゲイ・優馬は身の上を語らない直人を家に迎え入れ、やがてその存在は一夜限りの相手からかけがえのない恋人へと変化していくのですが……。
公開前から、撮影当時に(優馬を演じた)妻夫木聡さんと綾野さんが自主的に同居生活を送っていたというかなりインパクトの強い役作りエピソードが話題になっていました。俳優の役作りが作品にどう活かされていたかなんてことを観客が語るのはおこがましいのですが、とにかく結果としてスクリーンに現れていた親密さや生活感はとても自然で、何気ないシーンばかりが心に残ります。
ミステリアスかつ前に出すぎない受け身の演技なのに、特大の爪痕を残してくる綾野さん。
『怒り』はミステリーでありながらも人間心理を深く抉るヒューマンドラマで、正直言って大変重たい映画です。でも全てのパートで魅せてくれるキャストのみなさんの熱演ぶりを、一度は観てほしい一本です。
好きになれば好きになるほど喪失感も大きいのがテレビドラマ。
『MIU404』が終わったら星野さんと綾野さんが共演されていた医療ドラマ『コウノドリ』シリーズも観てみようと待機しています。
ロスに備える同志のみなさまはぜひご一緒致しましょう!!
TEXT/気絶ちゃん
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