彼女たちが実践していたことは“とてつもなく地味”
もちろん、家事や育児の負担が女性に多くかかってしまいがちなことや、働く女性の賃金が不当に低く抑えられてしまっていることなど、社会全体で解決していかねばならないことはある。しかし、とりあえず自分の力でできることとして、『天才たちの日課 女性編』に登場する女性著名人たちは、どんなことをしていたのか。
なかには「アヘンに頼る」みたいな、現代の日本ではちょっと真似できないな〜ってことをしていた人もいるが、たいていの女性著名人の答えはすごく地味。「書きたくても書きたくなくてもとにかく毎日書くこと(オクテイヴィア・バトラー、作家)」「たとえなにもしていなくても、ただ座っているだけだったり、めちゃくちゃなものしかできなかったり、ものを壊しているだけだったりしても、どんなことをしていようと、必ずアトリエのなかで過ごすようにする(リラ・カッツェン、彫刻家)」。
朝早く起きたり深夜まで時間をかけたりして、誰にも邪魔されない「自分ひとりの時間」を確保する。そして、たとえその時間に何も生み出せなかったとしても、明日も明後日も、毎日「自分ひとりの時間」を確保し続け、机に向かい続ける。あっと驚くTipsもライフハックもなく、まったく夢がない。
しかし、男性著名人の多い前編 でもそうだったけど、夢を壊されても不思議と失望はしないのだ。むしろ、みんな同じ人間なんだなと実感できて、明日もどうにかやってみようと思えてくる。
Text/チェコ好き(和田真里奈)
初の書籍化!
チェコ好き(和田 真里奈) さんの連載が書籍化されました!
『寂しくもないし、孤独でもないけれど、じゃあこの心のモヤモヤは何だと言うのか -女の人生をナナメ上から見つめるブックガイド-』は、書き下ろしも収録されて読み応えたっぷり。なんだかちょっともやっとする…そんなときのヒントがきっとあるはすです。
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