強い女こそ、恋に溺れられる
恋多き女というと、私たちはつい、他人に依存気味で、精神的に不安定な女性を思い浮かべてしまう。だけどそれで恋に溺れられるのは、せいぜい20代半ばくらいまでの話。『生きていく私』を読んでいると、本当の意味で、生涯にわたって恋に溺れ続けられるのは、きっと宇野千代のような確固たる信念のある強い女なのだとわかる。
宇野千代のようなエネルギッシュな人生を送るのは大変だ。たいていの女性は、アラサーにでもなれば、刺激的な恋よりも安定した結婚を望む。また、炎に包まれて身を焦がすような恋よりも、陽だまりの中であたたかに目を覚ますような恋を求める。もちろんそれで間違いはないのだけど、『生きていく私』を読むと、女性としての、あるいは人間としての「強さ」とは何か、考えるきっかけになると思う。
そしてそれは、どんな人生を送りたいかに関係なく、私たちがより魅力的な人間になるための一歩になると思うのだ。
GWに、1人の女の濃密な人生が描かれた『生きていく私』、ぜひ読んでみることをおすすめしたい。
Text/チェコ好き
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