弱さはむしろ寛容に繋がる。目指すは「完全ではない大人」

悩みを相談したくなる「完全ではない大人」の画像 Pixabay

自分が何か悩み事を抱えてしまったとき、まわりを見渡してみると、「話を聞いてくれそうな人」「相談しやすい人」になんとなく目が行く。もちろんその人と個人的な信頼関係があることが前提だけど、あの相談しやすそうな雰囲気って、どうやったら出せるのかなあと私はときどき考えてしまう。

残念ながら私自身は、行き詰まったときに「あの人に相談してみよう」と、パッと目に留まる人物ではない……と思う。これは謙遜ではない。実際に、人から相談事や打ち明け話を持ちかけられることって、私にとってはかなり稀なことなのだ。私自身も、自分のことで手一杯なので、人の面倒事まで抱え込みたくないと思っている節がちょっとある(自分は相談するくせに……!)。ようするに、まだまだ子供なのだろう。

困ったとき、どんな人に相談したい?

「結婚していちばんよかったことが、離婚したことじゃないかと思ってるんです」

と語るのは、アイドルのキョンキョン。
その理由はというと、離婚をきっかけに人からの見られ方が「(あの人も)完全ではない」に変わり、それによってずっと生きやすくなったからだそう。
これを語っているキョンキョンの対談のお相手は亡き樹木希林さんなのだけど、文庫になっている『小泉放談』には「50歳の節目」をテーマに、小泉今日子さんと25名のゲストが、こんなふうに人生について対談している様子が収録されている。

そういえば、何か悩み事を抱えたときに「あの人に相談してみよう」と思う人って、どこかちょっと「綻び」がある人だ。よくいえば「人生経験豊富そうな人」ということになるのだが、完全ではない人、失敗している人のほうが、色々なことを許してくれる寛容さがあるような気がして、つい頼りたくなってしまう。
これは女性→女性への相談の場合で、女性→男性への相談とかになるとまた話は別なのだけど、いざというとき、まわりから「あの人に相談してみよう」と思ってもらえる人になれるのならば、自分の失敗の1つや2つ、許せるような気がしてこないだろうか。キョンキョンがいう「生きやすくなった」って、そういうことかもしれないなと思う。