元外資系バリキャリ生活から一転、料理家/ライフスタイルデザイナーとして丁寧な暮らしへとシフトした太田みおさん。都会暮らしでも季節の声に耳を傾け、「旬」な自然を楽しみたいおひとりさまに贈る“シティガールの歳時記”です。
憂鬱な梅雨こそ“梅しごと”でテンション上げてこ!
太田みお
東京にも梅雨がやってきた。 繁華街の真ん中に位置する最寄り駅から、自宅までの道のりで通り抜ける公園の紫陽花は、青から赤紫と、目にあざやかに美しく咲き乱れている。
晴れ間がのぞいても、どこか気分がすっきりしないのは、蒸し蒸しとした湿度のせいだろう。
そんな人間の心はさておき、しとしと降る雨を恵みに、植物たちは生き生きとその命を育んでいる。
スーパーでは、梅を見かけるようになった。
梅は、梅雨入りとともに実り、旬を迎える。
生では食べない方がいい青梅だけれど、完熟した梅はとろりと甘く、たまらなく美味しい。
“梅しごと”もこの時期の楽しみのひとつ。
特に、申年の梅は縁起がよいとされていて、その由来は諸説あるが、平安時代の申年に都で疫病が発生し、村上天皇が梅干しと福茶を使って、人々とご自身の病を治されたと言い伝えられている。
「病が去る」「悪いものが去る」という語呂からも縁起がよいとされているようだ。
梅酒や梅シロップを作るなら、熟す前の青い梅を使い、梅干しや梅酢を作るなら、熟してきた実を使う。
完熟した梅はお砂糖と一緒にコトコト煮てジャムにするととっても美味しい。
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