ひとりでもふたりでも…魅惑のクリームソーダを楽しめる純喫茶

美しいメニューと出会える日帰り純喫茶

純喫茶ジュリアンの写真 ジュリアン

突如出来た休日に、待ち遠しかった週末に。ほんの少し遠くへ行く時間が出来たなら、皆さまはどちらへお出掛けされるのでしょうか?
旅行であれば、思い切って遠くの街へ足を運ぶのも良いですが、日帰りの場合は片道1時間から2時間くらいがちょっとした現実逃避を味わえる距離ではないかと思います。
楽しい往路はたいていあっという間に過ぎるので良いですが、少し疲れた復路も辛くならない程良い距離感を選んで。私が多く出掛けるのは、「熱海」か「鎌倉」です。

どちらも沢山の純喫茶がある、ということが目的の一つなのですが、美味しい食事を食べられるお店があったり、散策が楽しい路地があったり。
きっちりと予定を決めていかなくとも楽しめる街であることが好きな理由です。そうして何度も訪れた場所ですが、向かう途中の駅で下車してみることも楽しいことに気が付きました。

例えば藤沢駅。こちらには、つい感嘆の声が出てしまう美しいメニューを頂ける純喫茶があるのです。鎌倉へ向かう江ノ島電鉄に乗る前に、少し寄り道してみるのはいかがでしょうか?

絵に描いたような空間

純喫茶ジュリアンの写真 ジュリアン

駅を出て歩くこと数分。勝手ながら「純喫茶小路」と名付けた道があります。純喫茶が数軒立ち並ぶ中の(好きだった「灯」は残念ながら閉店されました。)一つが「ジュリアン」。一目見ただけでうっとりするレンガ造りの外観です。

まるく切り取られた大きな窓が3つ。そこに掛けられたレースのカーテンも綺麗です。中へ入ると、店内の様子も予想を裏切らず、昭和のままで時間が止まってしまったかのよう。年月を重ねて艶やかに光る椅子、現役で動いているゲーム台。懐かしい風景でありながらも、清潔に保たれ大事にされているため、映画などの撮影にも良く使用されているそうです。
テーブルに置かれた丸いメニュー表もとても可愛らしく、食事の種類も豊富。店内中央にあるサンプルケースには、パフェやソーダ水、サンドイッチが並んでいて、何を食べようかと迷ってしまいます。

純喫茶ジュリアンの写真 ジュリアン

しかし、こちらを訪れたら必ず注文して頂きたいのが「ペアソーダ」。グラスの中央が仕切られ、それぞれにピンク色と緑色のソーダ水が注がれています。片方に生クリーム、片方にアイスクリームがトッピング。ひとりで2種類のソーダが1度に味わえる素晴らしい一品なのです。運ばれてきた時の美しさにはしばし見惚れます。

今まで見たことはありませんが、ストローを2本差し、分け合って飲んでいる方たちがいたならばロマンチックですね。
美しいソーダを飲み干してからにこやかに鎌倉へ向かうのが、こちらを知ってからの習慣となっています。

Text/難波里奈

※2015年12月4日に「SOLO」で掲載しました