いまだから乗りたい「ブランコ」のある純喫茶?

大人が乗りたい「ブランコ」がある純喫茶

大人になり自由が増えた反面、一人で行きにくくなる場所は確実に増えていくように思います。周囲の視線も色々と気になる現代では、自分の気持ちとは裏腹に欲望をそっと心に秘めたまま暮らしていくことも少なくないでしょう。その対象には駄菓子を買う、走り回る、公園で遊ぶなどがありますが、中でも時々ブランコに乗りたい気持ちが湧き上がることがあります。
皆さまにも分かっていただけますでしょうか? 大人になった今だからこそ乗りたいブランコ。今回はそんなブランコが登場する夢のような純喫茶を紹介したいと思います。

ブランコの座席と充実のメニュー

純喫茶gionの写真 gion

場所は、JR阿佐ヶ谷駅から徒歩1.2分。「かつて上野にあった日本初の喫茶店」の流れをくむ「可否茶館」の入っていた阿佐ヶ谷ゴールド街を通り過ぎた頃、活き活きとした植物で覆われた入口とネオンで眩しく光る店名の「gion」が見えてきます。
一見、落ち着けそうな普通の店内ですが、是非こちらでは店内左側のピンク色の壁に囲まれた空間を選んで頂きたい。なぜなら、そこには喫茶店の店内であるにもかかわらず、ブランコが置かれているから。

純喫茶gionの写真 gion

もちろん、ただの飾りではなく、きちんとした座席の一つとして。スペースは限られているので残念ながら思いっきり漕ぐことは不可能ですが、ゆらゆらと揺れながら注文した飲み物を楽しむことができます。
こちらのお薦めは、美しい青色のクリームソーダと高品質なミルクを使用している珈琲。さらに注文を受けてから丁寧に焼かれる自家製のワッフルにボリュームたっぷりのナポリタンなど食事も充実。
どちらも創業当時から少しずつ改良され、日々進化しているメニューなのです。

純喫茶gionの写真 gion

マスターの関口さんは「将来、カウンターで読書をしたくて喫茶店を開いた。そのために若い頃は休みも全くなくひたすらに働いた。」と笑顔で話して下さいました。
その込められた思いは、居心地の良さをさりげなく演出する素晴らしい店員さんたちや少しずつ模様替えがされる店内のインテリアからも感じることが出来ます。「いつもとは少し違った純喫茶へ行きたい。」そう思った時は、こちらを目指してはいかがでしょうか?

周囲を気にすることなく、堂々とブランコに揺られることが出来ます。尚、一席しかないブランコ席は人気のため、週末は混み合いますが平日の遅い時間でしたら空いていることもあるそうです。
タイミングが良いとお会い出来る関口さんのお話も大変面白いので、誰かと話したい時はカウンター席もお薦めです。

Text/難波里奈

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※2015年12月4日に「SOLO」で掲載しました