女ウケか、男ウケか。おひとりさまも逃れられないモテと美醜問題

突然ですが、今回は冒頭から、ものすごく答えにくい質問をみなさんにしてみてもいいでしょうか。
ずばり、あなたは自分のことを、美人だと思ってますか?それとも、ブスだと思ってますか?ちなみに私は……と、これやっぱりめちゃくちゃ答えにくいですね。実際の回答は、お互い胸の内に秘めておくことにしましょう。

『美人とは何か?―美意識過剰スパイラル』 (集英社文庫)の書影 『美人とは何か?―美意識過剰スパイラル』 (集英社文庫)

さて、こんなことを聞いてみたくなったのは、最近中村うさぎさんの『美意識過剰スパイラル』という本を読んだから。中村うさぎさんといえば、整形手術を何度もくり返して、自分の理想のルックスを手に入れた女性として有名ですよね。そんな中村さんが、女性のモテと美醜の関係について思いの丈を綴ったのが、こちらの本です。とっても面白かったので、自分のルックスについて思うところがある全女性におすすめですよ。

でも私は正直、この本に書かれている内容――中村さんがそこまで自分の外見に固執した理由がいまいちわからなかったんです。

あなたは中村うさぎ派?くらたま派?

というのも、おそらく私は『美意識過剰スパイラル』でいうところの、「くらたま派」の女だから。
くらたまとはご存知、漫画家の倉田真由美さんのことです。そしてこの、「くらたま派」か「中村うさぎ派」かというのは、わりときれいに一般女性を二分させるんじゃないかと思うんですよね。私はSOLO読者の女性1人1人に、「あなたはくらたま派?中村うさぎ派?」って聞いてまわりたいくらいです。

女性向けのファッション誌に載っているモデルと、実際の男性が好む女性像の間に乖離があるということは、昔からよくいわれています。しかし中村うさぎ派は、それを知ってもなお同性である女性に羨望される、自分の理想のルックスを手に入れたいと考え行動します。バービー人形のような顔とスタイルに憧れ、とにかく女にウケることを、女のなかの強者であることを目指すわけです。
一方くらたま派は、自分がしたい服装、なりたいスタイルよりも、「実際にまわりの人間から気に入られるかどうか」を重視。「女の評価は男が決める」――くらたまさんがいうほど私は過激な考えを持っているわけではないのですが、自分の服選びの基準として、「どうせウケるんなら女より男がいーや」という下心があることは、これを機に正直に告白しておいてもいいでしょう。明日、クツのなかに画鋲が入ったりしていませんように。

統計をとったわけではありませんが、整形手術をくり返すまでに過剰に自分のルックスに固執する女性は中村うさぎ派が多いのではないかと思います。確かに、バリバリのキャリアウーマンでも、白金に住むセレブ妻でも、他人に「でもブスじゃん」といわれてしまうと、ちょっと弱い。本来は別に人になんていわれようと知ったこっちゃないのだけど、中村うさぎ派はこの「でもブスじゃん」スパイラルに絡め取られ、症状が悪化すると身動きが取れなくなります。

逆に「くらたま派」、男ウケを突き詰めると、結婚詐欺で多数の男性を手玉にとった稀代の悪女・木嶋佳苗被告のようになるでしょう。くらたま派は現実の世界でウケていれば実際の自分のルックスはどうでもよくなるので、「でもブスじゃん」攻撃があまり効きません。それはある意味幸せ者といえるのかもしれないけど、でもどうなんでしょうね、まわりの女性から置いてきぼりをくらうの、私はちょっとイヤだなあ。