裸の自分の好奇心と向き合う
私は今回、すっぴんで、「動きやすい」以外の機能を一切無視しためちゃくちゃダサい服で、雨のなかレインコートをかぶって遺跡の石の上をヒョイヒョイ移動しながら遊んでいたのですが、これ友人や恋人と一緒に来ていたら、同じことができたかどうか疑問です。
自分のことを知っている、それも一緒に旅行をするくらいの仲の人であれば、少しでも良いところを見せたいですよね。きっと一人じゃなかったら、あんなネズミ男みたいな格好で、泥だらけになりながら大はしゃぎできなかったと思うのです。
……「一人旅の魅力」について書こうと思ったのに「カンボジアめっちゃ楽しかった」という話で終わってしまいそうなので軌道修正しますが、アラサーとしてとか、女性としてとか、社会人としてとか、そんな訳のわからない鎧を脱ぎ捨てて、ただ純粋にわくわくすることを、少年のように心ゆくまで追求する。
一人旅は、それができる滅多にない機会のように思います。裸の自分の好奇心と向き合えるせっかくの一人旅、「女をアゲる」なんて目的でしていたら、むしろもったいないんじゃないかなんて、私は思うのです。
人はやっぱり、わくわくしながら楽しかった出来事を話しているときがいちばん魅力的だし、楽しかった出来事を語っている人の話は例外なく面白い。
まあ、盛大に腹を下してトイレと往復しながらこの文章を書いている私が魅力的かどうかはまた別の問題ですが(これからお食事の方すみません)、もしこれを読んで「海外女一人旅、行ってみようかな?」って思ってくれた人が1人でもいたら、私はとても嬉しいです。
いつかどこかで、そんな魅力的なあなたの旅の話、聞かせてくださいね。
Text/チェコ好き
※2015年8月27日に「SOLO」で掲載しました
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