早いもので、2015年の夏もそろそろ終わりを迎えようとしています。みなさんにとってのこの夏は、はたしてどんなものだったでしょうか?
はというと、8月中旬に女一人、ポル・ポトによる虐殺の舞台となったプノンペンのキリング・フィールドとシェムリアップのアンコール遺跡をめぐろうと、カンボジアを旅行してきました。
この夏の思い出は他にもいっぱいありますが、やっぱりこのカンボジアの旅がいちばんインパクトを残す出来事になったような気がします。
一人旅は別に女をアゲない
さて、旅行というのは基本的に趣味の範疇で語られるべきことです。行きたい人は行けばいいし、行く気が起こらない人は行かなければいい。
しかし、ウザがられても尚語りたくなってしまう魅力というのが一人旅、特に海外の一人旅にはあると思うんですよね。もちろん、私は今回「一人旅は女をアゲる!」みたいなありきたりなことをいうつもりはありません。
パリやロンドンならともかくカンボジアに行っても、汗と砂まみれになって腹を下して帰ってくるだけなので(すべて実話)、女はまったくアガりませんよ。
私が同年代のアラサー女性に訴えたい一人旅の魅力とは、ずばり「少年の心が手に入る」こと。
私の今までの旅行は欧米が中心だったので、いつもスーツケースをコロコロしながら行ってたんですが、今回は初の東南アジアということで、道が悪いだろうと思ってバックパックを背負って行ったんです。そしたらですね、これが実にしっくりくる、身体になじむ。
バックパックを背負ってスニーカーの紐をキュッとしめると、なんというか、「よっしゃ!」って気持ちになります。わくわくが止まらなくて、そのまま校庭1周分くらい走ってきたくなる気持ち。
まあ本質的にはバックパックじゃなくて、スーツケースでもボストンバッグでもなんでもいいのですが、これから行くところに自分のことを知っている人はだれもいなくて、言葉も満足に通じなくて、気を抜くと危険な目に遭うかもしれない。それってやっぱりめちゃくちゃ大冒険じゃないですか。
たまに、自虐をこめて「あたし、中身はおっさんだから」という女性がいますが、バックパックを背負って一人旅をすると、外身はアラサーでも、中身は少年になれます。恋愛とか、結婚とか、キャリアとか、んなもんは全部どうだっていい!!
ただこのまま走ってカブトムシを大量捕獲しに行きたい!! ……実際はカブトムシを大量捕獲ではなくアンコール遺跡をめぐりに行ったわけですが、これほどまでに何の計算もなく、邪気のない純粋なわくわく感を抱ける機会って、一人旅でもないとなかなかないんじゃないかなあと思うんです。
- 1
- 2