宅飲みならアルパカ一択だった。オトナになることは選択肢を手に入れること

先日、女友達3人と新年会を行いました。会場は昨年話題になった某恋愛リアリティドラマの出演者(※イケメン)が働いているという噂の居酒屋で、残念なことにその日は出勤していらっしゃらなかったので、お会いすることは叶わなかったのが残念でしたが、それを差し引いてもオーダーしたお料理がすべて美味しくて雰囲気もめちゃくちゃによい当たりのお店でした。

アテが美味しいと進むのは酒。というわけで、一杯目のビールで乾杯した後は日本酒に切り替えることに。集まったメンツの中に特別に日本酒に詳しいとか、こだわりがあるといった人材がいなかったので、店員さんに頼んで都度、適当なオススメのお酒を持ってきてもらうことにしたのですが、はっと気が付いた。値段を確認することなくお酒をオーダーできるようになっているということに!

若い頃はメニューを見ずに料理やお酒を注文することが、出来ませんでした。だって、いざお会計した時に「ヤバ!」ってなるのが怖かったからです。それがいつの間にか、「オススメのお酒でお願いします」と、おまかせで頼めるようになっている。これを成熟といわずしてなんという。まぁ、いまだに高級店では無理とはいえ、女友達と割り勘で飲む居酒屋とか、フレンチでも、ドレスコードのないカジュアルなお店であれば、メニューを見ないでのオーダーすることは、もう怖くない。人は気が付かないうちにオトナの階段を登っているものである。

「オトナになる」ということは…

そもそも、若い頃は酒なんて酔っ払えればいいくらいしか思っていなかったので、二杯目の選択肢はウーロン杯かレモンサワーかのことが圧倒的に多く、それらはメニューに値段が必ず明記されている。焼酎を飲みたい時はボトルで頼み、女友達と「この店は戦える!」と互いの闘志をたたえ合い、イタリアンのお店では「一番安いボトルをお願いします、赤で」という雑極まりない頼み方をするのが常。宅飲みならアルパカ一択。

けどいつしか周囲の女友達の幾人かがワインにハマったり日本酒にハマったりして美味しいお酒をセレクトしてくれるようになり、自然とどうせ飲むなら美味しいお酒を、となっている。こうして贅沢を覚えることで、扱いにくい中年女になる……ということはさておいて、逆に考えれば若かった頃は、安酒で充分に楽しい時間を過ごせたともいえる。まぁ、今だって決して、宅飲みのアルパカで満足できないってわけではないのですが、いつもと同じ酒を飲むよりも違う酒に挑戦するほうがテンションがあがるのも事実であって、オトナになるってことは、選択肢を手に入れるっていうことでもあると思った次第です。と偉そうなことをいいつつも、4人で一種類につき2合ずつ、合計で十種類ほどの日本酒をたいらげたおかげで翌日は二日酔いでまったく使いものにならず。オトナになったとうっとりと胸を張っているくせに、制御が利かないところを反省……なんてしませんよ!

Text/大泉りか