いつまで家族のせいにしていいの?わたしの心を逆撫でた妹の妊娠報告

母からのいらぬ報告

年内最後の更新になるので本当は1年を振り返ってみたりしたかったのだけれど、母から「来春、妹に子どもが生まれる」という心底どうでもいい連絡が来て嫌な気持ちになってしまったため、この文章を書くことにしました。

この日の私は好きなミュージシャンのライブを見て、横浜の狭い焼き鳥屋で串焼き5本盛りと漬け物盛り合わせをつまみにビールを4杯くらい飲みながら読書をしていた。楽しい一日だった。浮かれていた。最近の私は人と会う時間もやっとできて、毎日がとても充実していた。それなのに、この母の連絡によって心底落ち込み、私はどうしたらいかわからなくなってしまった。

自分のなかの感情が自分のなかでうまく整理できないといつも泣いてしまう。電車のなかで泣きながら「もう妹については連絡してこなくていいです。」と母に返事をしたら、既読になったまま反応がない。

母から「結婚しろ」「孫の顔が見たい」と今までの人生で一度たりとも言われたことがない。せめて「まあ、一回くらい試しにしてみたら?」程度で。それでも私はどの口が言っているんだろう、と考えていた。父と一緒になってから幸せな時間など一瞬たりともなく、子どもと世間体のために耐え続け、離婚調停で家庭裁判所に何度も足を運んだ人が無責任に勧める結婚って、一体何なのだろうと。

父の暴力の矛先はいつも私だった。そして、妹は離婚した両親といまだに繋がりがあり、母方の親戚とすら良好な関係性を構築している。愛されるべき娘としての正しい姿がそこにはあった。だから、今年の年始に祖母が亡くなり、葬儀で仕方なく会ったときの妹が「絶対に結婚なんかしない」と言ったのは予想外だった。

安っぽくて流行からちょっと後れている私服もキャラクターだらけの持ち物もメンソールの細いタバコも、すべてにまったく個性やこだわりが感じられず、会うたびにいつも「ダサいな」と思っていた。血縁があるので仕方なく会っているだけで、友だちには絶対にならないし視界にすら入らないタイプだとも思った。みんなが好きだから自分も好き、というマジョリティの真ん中をいく妹にさえ、「結婚したくない」と思わせるくらいには私たちの家庭は崩壊していたのかもしれない。