目が見えない猫がいて…

なんとなく草下さんに「これからお二人でどこか行かれるんですか?」と尋ねたところ「いえ。今日は猫が来るんですよ」と。いわく、多頭飼い崩壊の保護猫を引き取るのだと。さらには「中に一匹、目が見えない子がいて、貰い手が見つかりにくいだろうから、その子を引き取るんです」ってちょっと! 雨の日に捨てられて泣いている子犬を拾う不良が! 世の中に存在した!! ちょっとかっこよすぎないか!!!!

というエピソードを今回紹介したくて、草下さんご本人に確認したところ、実はトライアルで引き取ったものの、もともと飼っていた先住猫ちゃんがストレスで病気になってしまい、仕方なく無念ながらも別の飼い主さんを探すことになったという。物資などの支援を続けながら、信頼できる飼い主を探し当てるというサポートをしたものの「最終的に引き取れなかったので、私個人としては自分のことを無責任と思っております」という返信が。先住猫ちゃんが病気になったから仕方ないことなのに、それでも自らの責任であると省みるって草下さんのお人柄がでている……と思うのはわたしだけでしょうか。

『ヒットを生む技術』は、そんな草下さんが、斜陽でありつつも愛する出版業界のために、自らの経験と知識を惜しげもなく教えてくれた一冊です。出版ばかりでなくすべてのクリエイト系職業の人には役立つはず。って最後宣伝になってしまって申し訳ないんですが、草下シンヤさんとももちろんヤっておりません(当たり前だ)。

Text/大泉りか