50代で再会できる

著者の若林さんと作家の佐々木ののかさんは巻末の対談で、「どんなバックグラウンドがあっても、女性は50代で再会してまた仲良くなれたりする」(p.200)と、あるラジオ番組のリスナーの声を紹介している。私は年代の違う友達を作ることでひと足先に「再会」を果たしてしまったが、ライフスタイルの違いから疎遠になってしまっている友達ともきっと50代で再会できると信じているため、孤独感はない。

出産した人もしていない人も、本当のところ、決断した理由は「成り行き」のはずだ。世の中、自分の意志で決められることは案外限られている。本書を読むとそのことを確認できるし、いろいろな経験をした女性たちと再会できる50代が楽しみになる。あと、オタクは死ぬまでオタクなので、小さい子供がいて一時的にマンガやアニメを見る気力が落ちてしまっている女性も、10年後にはまた返り咲いて同人誌即売会に足を運ぶことになるので大丈夫。逃げられません。

Text/チェコ好き(和田真里奈)