楽しいこと以外はなるべくしない

よしながさんは本書の最終章で、「私にとって漫画家は夢の職業だった」「ずっと夢みたいだなと思っている」「ラッキーだった」「いつこの夢が終わっても悔いはない」などと語る。睡眠と健康に気を配り、並じゃないストイックさで鍛錬を重ねてきたはずなのに、それを「ラッキーだった」と言えるよしながさんが私は好きだ。

冒頭で、私は「人生はアンコントローラブルなので、どんな結果であれ受け入れられるようなメンタルを作っていくくらいしかできることはない」と言った。そのメンタルの作り方の1つは、「自分が楽しいと感じること以外はなるべくしない」こと。楽しくないことは結果が伴わないと納得いかないので、上手くいかなければ後悔が残る。でも、やっていることそれ自体が楽しければ、たとえ最終的に結果が伴わなくても「まあいっか、楽しかったし」と思える。「職業漫画家ではなくなったとしても漫画を描いていたい」と語るほど漫画が好きなよしながさんは、自身の境遇を謙遜ではく本当に「ラッキーだった(人生を自分でハンドリングしたわけではない)」と思っているのだろう。

最後に蛇足だけど、目標を立てるときに私が心がけていることは、「自分さえ頑張れば達成できるものにする」ことです。「婚活アプリで30人に会う」は自分さえ頑張ればイケそうのでOKだけど、「結婚する」は自分が頑張ってもどうにもならない領域なので目標としてはNGである。

桜咲く新年度、楽しくやっていきたいですよね。

Text/チェコ好き(和田真里奈)