アラフォーになった今、アラサーを振り返る

村田さんはこの章を、「自分が本当に感じている想いをきちんと探して、言語化する」行為をサボってはいけないとして締めている。私も基本的にはそう思う。ただ、ときに自分を記号化した存在として押し出すことも厭わず、周囲とコミュニケーションがスムーズに取れてさえいれば、もっといい思いができたのかもしれないなあ……と考えることも私はある。ようはバランスの問題なのだろうが、しかし反省しているとはいえ、私はいまだにアラフォーの独身女性っぽいことがぜんぜん言えない。

他にも本書は、「若い頃はセクハラされる側だったのが、年齢を重ねていつの間にかセクハラしてないか心配になる側になってしまった」話など、私にとってはなかなか切実な話題に富んでいる。2015年の本なので内容に少し時代を感じることもあるが、それはそれとして、今まさにアラサーの女性が読んでも、アラフォーがアラサーを振り返るために読んでも、けっこう新鮮な発見があるのではないか。

Text/チェコ好き(和田真里奈)