いつまで熱量を維持できる?フジロックで気づいた「好きでい続けること」の大変さ

©️Josh Durham

言葉で表しきれないフジロックの良さ

毎年恒例にはなりつつありますが、今年も7月末にフジロックに行ってきました。

友だちと飲めば「今年も行くよね?」と言われ、会社で有給の申請を出せば「フジでしょ~?」と同じチームのメンバーに言われる。色々なところで「フジロックに必ず行く人」になりつつある。コロナ禍で一度キャンセルになった年を除き、もう気づけば10年くらいずっと参加していることになる。しかも、スタッフとして。ありがたい話である。

特に、LIZZOのステージが本当に素晴らしくて、今まで見てきたライブのなかでも5本の指に入るほどだった。私だけかもしれないけど、演奏中って余計なこと考えちゃうじゃないですか。明日の予定とか昔の嫌な思い出とか。自分自身の問題でもあるんだけど、割とコンディションによって純粋に楽しめないことが多々ある。逆に救われることもあるんだけど。

でも、こんなにずっとキラキラした気持ちを胸に抱きながら集中してライブを見続けた記憶ってここ最近ない。もっと自分を大切にしながら生きてもいいんじゃないか? と心から思いながら気づいたら泣いていた。ステージから得られるポジティブなエネルギーに圧倒されながら泣いていた。その翌々日くらいにLIZZOがパワハラで起訴されたけれど、あのステージの一部になれて本当によかったし、今このタイミングだからこそ見る価値があったなと思う。本当に本当に素晴らしかった……。

でも、本当は行こうかどうか、悩んでいたんですよね。スタッフチームに対して不満が募っていたし、なんかもう別にいいかな~というもやのかかった気持ちを持っていた。けど、やっぱり行ったら行ったで最高に楽しいんですよ。出演アーティストが好きとか音楽が好きというのもあるけれど、ステージ間の長い距離を歩いているときのワクワク感とか、全然期待せずに見たアーティストがあり得ないくらい良いライブをして負けないくらい観客も大盛り上がりしている様とか。「ここにいる全員が音楽のことをめちゃくちゃ好きなんだろうな~」と思う瞬間とか。「私って、本当に音楽が好きなんだな」と再確認できたときとか。ふと視線をずらすと大きな自然が広がっているとか。昼から爆音の音楽を聴きながら飲むビールも、深夜に疲労と眠気でヘロヘロになりながら飲むレッドブルウォッカもたまらなく好きだ。

やっぱりフジロックは何度行っても最高だったなと改めて思う。なんなんでしょうね? あの素晴らしさ。興奮とか、ワクワク感とか、会場の空気感とか。全然言葉にできないし、表現しきれない気がする。

今年はマスクの着用も不要になり、お客さんも例年以上に多かった。雨が降らなかったのはよかったもののひたすら暑さが続いたし、水やご飯もなかなか買えなかったりと問題もあったけれど、それでもこんなに楽しい出来事って生活のなかにはそうそうない。私はやっぱりフジロックが大好きだな、と思う。もはや、自分の年間行事のひとつとして組み込まれている気すらしている。