自分と似た欲望に出会えた喜びは…
ひと昔前は、BLにハマる女性たちを見て「モテない女がやっている、自分の女性性を受け入れられずに男同士の恋愛に逃げている、早く卒業すべき」などというイメージを持っている人がたくさんいたはずだ。というか今でもいるかもしれない。まあ、実際に二次創作にハマっている私が言うとポジショントークにしかならないのだけど、今の私は、本人が楽しいなら30歳でも40歳でも還暦でも、いつまでもBLが大好きでいていい気がしている。自分の欲望とこんなに膝を突き合わせて向き合い、「なぜ」と考え、毎日を楽しくさせてくれる趣味は他になかなかない。私を始め女性向け同人誌の書き手・読み手はほとんどが異性愛者だが、異性愛者と一口に言っても千差万別で、隣の異性愛者の女性と私とではまったく違う欲望を持っていることに改めて気づかされる。だからこそ、自分と似た感性・欲望に出会えたときに感じる喜びは、名状しがたいものがあるのだ。
溝口さんは本書を「愛を交わし続けようぜ」と締めくくっている。私もまだまだ、同好の女性たちと、愛を交わし続けていきたい。
Text/チェコ好き
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