わりと他人の失態には寛容なほうで、遊びの予定をドタキャンされようが、大幅に遅刻されようがさして怒りはしないし、なんなら過去、わたしが付き合っていた男性を2回も寝取った女友達とも、いまだ親しくしている。もう二度と大切な人には、会わせないとは決めているけれども。さすがに3回も寝取られたら、自分の迂闊さに絶望して立ち直れません。
けれども、一生許さないと思っている女性もいます。あれは夫と結婚する前。同棲を始めたばかりの頃でした。わたしと彼と飼い犬のチワワのアメちゃんとの新生活。せっかく一緒に住むことになったのだから、互いの友達を呼んで飲み会をしようと企画した際に、男友達がいきなりのダマで、その女性を連れて現れたのです。
一生許せない女性の行動
その女性は、わたしと夫が付き合っていることを知りながら、「昨日、夫さんにちんこでビンタされた夢、見ちゃった~!」などとしれっとのたまったり、帰る際に握手を求めて、両手で包むように手を握り返しつつ、自分の胸元に引き寄せたりと、やたらと思わせぶりなエロテクを発揮する人なので、わたしはひそかに警戒をしていました。
しかし、そんな女性であっても、家の前まで来ているのに、門前払いするのは、さすがに大人げない気がするし、家に入れない正当な理由も思いつかないし、そもそも同棲生活の様を見せれば、牽制になるのではとも考えた。
だから、仕方なく家に招き入れて、とりあえず簡単なつまみでも用意しようとキッチンに立った隙のことでした。「やだ~! 出されちゃったぁ!」という、彼女のはしゃいだ声が耳に届いた。
出された? 何を? 不思議に思いながら部屋に戻ると、彼女はべっとりと濡れている腕を差し出してわたしに告げたのです。
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