正しい友達のあり方なんてないから

コロナを経て、友達の多さとか仲のよさとか関係の深さみたいなものが、自分のなかで気にならなくなってきている。もちろん、友達はいたほうがいい。悩みを相談できるような言葉を選ばずに話せる相手も多いほうがいい。実際に私も何度も助けられたことがあるし、存在や言葉に救われてきた。私の今の生活になくてはならない人たちではあるのだが、友達の優先度ってどうしても低くなる。

友達は家族でも恋人でもないからこそ、時間と金銭と精神に余裕がないと、会ったりできない存在なんだなと認識するようになった。さらに連絡を取ったり、約束を取り付けたり、そういう人付き合いって生活にゆとりがないとできないと思うんですよね。

友達が多いほうがいいとか、友達の数より親友が何人かいるほうがいいとか、いろんなことを言う人がいるけれど、私はどちらも真実ではないように思う。人との付き合い方なんて、それぞれ個人的な関係なんだから多様でいいに決まっている。働き方や金銭感覚、価値観、趣味、すべてが同じ人なんて絶対にいないと思う。

だからこそ、まずは生活の土台となる仕事や精神を整えつつ、それでも会いたい人と適切な距離感を保ちながら関係が続けられればそれでいいのだと思う。そういう意味では、友達に会えるのは、自分がギリギリ人間の原型を留めているという証拠なのかもしれない。

人付き合いが増えると悩む。基本的な悩みの種は人間関係な気がする。できるだけ、時間にもお金にも精神のも余裕を持ちながら、悩むことなく友達付き合いを続けていけたらと思う。ついでに、あまり行かないところにも顔を出して、新しく出会った人とのコミュニケーションも並行してやっていきたいけれども。

Text/あたそ