性風俗で働くデメリットといえば

もちろん性風俗で働くことのデメリットも、あると思います。なんせ性風俗業は、2022年になっても国によって差別されている状況だし、例えば自分の恋人や家族に「性風俗で働く」と告げられた場合に、諸手をあげて賛成する人も少ないでしょう。実際、「風俗で働く女性はちょっと……」と縁を切ってきた男友達もいた。

また、男性そのものや、性的な行為が嫌いになる可能性もあって、確かにウザい客、失礼な客、不潔な客などが連続すると、「わたしってば、何をしてるんだろう」と、暗い気持ちにはなった。けれど、わたしが「全員死ね! セックス嫌い!」とはならなかったのも、また男性たちのおかげです。

足の爪の欠片が食べたいとか、服を脱がしもせずスパンキングパドルで叩くだけでいいとか、ひたすらにくすぐってくれだとか。多種多様な性癖を知ることができたのは面白かったし、そうした人々と出会ったことで、「まぁ、世の中いろいろよな」と知れ、自分が人と違っていてもいいのだと、開き直れたことで、生きるのがぐっと楽になった。「風俗で働く女性は可哀想」なんて言う人もいますが、さて。わたし、可哀想ですか?

Text/大泉りか