独身で子どもがいない人は歓迎されない?
人の些細な一言で勝手に傷ついて勝手に落ち込むのをいい加減辞めたい。
大して仲良くない人や今後の人生で関わることもないだろうな~みたいな人に何か心ないことを言われて、その分だけ傷つくのって私の人生にとって大きな損害であり、無駄じゃないですか。そんなしょうもないことでああだのこうだの考えるくらいならさっさと忘れて、もっと楽しいことや嬉しいことを考える時間に費やしたほうがいいに決まっている。そんなことはとっくにわかっているんですけどね。いまだにうじうじ考えて、立派に傷ついている自分がいる。
最近、会社の飲み会が多い。先々週からずっと会社の誰かしらと飲んでいるし、なんなら今週も元同僚と酒を飲む予定が入っている。ちょっと憂鬱。
大勢での飲み会も、知らない人ばかりの飲み会も本当は苦手だ。できるだけ明るくて社交的で大きな悩みも挫折もなかったようなフリをして、当たり障りのない話をして、大げさに笑う。会話に入ってこれない人にも話を振りつつ、楽しそうに振る舞う。見知らぬ人がたくさんいる場合の私の役割は大体決まっていて、そのキャラクターに徹する。
終了後には、いつも疲労感が私を襲うし、そもそも参加自体にあまり前向きにはなれないけれど、仕事のできない私は誘われれば毎回必ず参加するようにしている。飲み会に参加したところで仕事ができるようになるはずないなんてわかっているけれど、私にとっては社会で生き残るための術みたいなものなんだと思う。
その毎週のように続く飲み会のひとつに部署の懇親会があった。会場を貸し切って大勢でお酒を飲み交わし、偉い人からある社員への挨拶を聞いたとき、私はひどく傷ついてしまった。
「○○さんにも、ちゃんと結婚をしてもらって。家庭を持っている社員が多いから、その人たちの気持ちも理解できるようになると思うし!」とかそういう内容を、冗談みたいに半笑いでして、会場からもなんとなく笑いが起きていて、面白い発言として処理されていたけれど、そのなかで私はひとりひっそりと傷ついていた。
冗談で、本気じゃなかったとしても、会社が無条件で結婚することを誰かに勧めて、同じ状況に至らないと家庭を持っている人の気持ちがわからない、と言っている。クラクラしそうになる。だって私は結婚をしていないから。別に私に対して直接言っているわけではない。そんなことは分かっている。でも、人に対して「結婚したほうがいいよ」という冗談を人前で平気で言えるような人の下で働いているのか、普通の人生を送っていない人はこの人の視界には入っていないのか、そう思うと気持ちがどんよりしてくる。
些細な発言だった。すぐに忘れられてしまうような、一瞬の話だった。言っていない発言を私が勝手に読み取っているだけなのかも。でも私はたしかに傷ついて、目の前が真っ暗になった。少し大げさなのかもしれないが、独身で子どもがいない人を歓迎しない会社のように感じられてしまった。
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