混浴温泉マニア男性からのお誘い
印象深いのは、バーでたまたま居合わせた、知り合い以上友人未満くらいの混浴温泉マニア男性に「今度、みんなで温泉行こうって話をしてるんだけど、参加しない?」と誘われたときのことです。旅行代は無料でいいという。それにつられて「日程次第だけど前向きに行く方向で」と返事をし、引き続き飲んでいたところ、その混浴マニア男性が、こそこそと隣の席の男性と話している声が漏れ聞こえてきたのです。
耳を澄ませたところ、「ツアーに参加すれば、あそこにいる子とかと一緒に混浴ができるのは、おいしくないか」とツアーの勧誘をしているではないですか。内輪の温泉旅行かと思ったら、人をダシにして客を呼ぶのかい! しかも、それをこっちの耳に届くところでやるなんてバカなのかな?
旅行代無料とかではなく、ちゃんとギャラを提示してくれたら仕事として考えたものの、中途半端な感じに使われそうになって、「やっぱり行くのやーめた」とお断りするとともに、その男性のポジションを“嫌いな顔見知り”へと置き換えたし、以後、その人の誘いは一切受けないことに。人の裸で稼ごうとするのにあまりに迂闊な男であったことよ。
Text/大泉りか
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