女の生きざまに思いをはせる「松井冬子展」

昨日は、オンナの生きざまを表現するアートに触れた1日でした。

まずはじめに向かったのは、横浜美術館。

松井冬子展 世界中の子と友達になれる
https://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2011/matsuifuyuko/

一度は、作品を生でみてみたいと思っていた松井冬子さん。
念願叶ってうれしいな。

はじめは、「すごい美人だけど、コワイ日本画を描く女性」と聞いて
その存在を知ったのですが、まわりの女性陣がこぞって話題にするので、
いろいろと調べてみたら、ご本人もこわいくらいの美人でした。
そして、「オンナとしての生きざま」を絵に閉じ込めている人なんだなぁと。

男性からのDVで片耳が聞こえなかったり、首の骨を折られたりされたことも
作品として表現していました。

ほかにも、作品の中で、お腹を開いた女性が胎児の入った子宮を見せびらかしているモチーフが何点か出てくるのですが、作品の解説に添えられた
「私はこんなに立派な子宮を持っている」
という言葉が、女として、今生に生を与えられた宿命を感じさせられました。

「こういう場所で生涯を終えたい」と描かれた作品は、
暗い沼でそれは、自分が生まれてきた子宮だと解説されていました。

世の中は、陰陽で成り立っていると言われますが、
冬子の描く、暗く、怖く、湿っていて、重く、グロテスクで意地悪な世界は、
実は、女性の心の中にも潜んでいる陰の一部分=子宮で、
それを冬子が作品として、自らのカラダをえぐりだして、晒すことによって、
多くの女性に安堵感や共感を覚えさせるのではないかなぁ、なんて思いました。
アールユヴェーダ的にも、日本人女性は本来「カパ=水」の要素が強いといわれていますが、
冬子はまさに「カパ」の比重が多きのではないでしょうか。
日本画、着物、湿り気、鬼気迫る色気、そのどれも「超・大和撫子」

作品の中でも特に、私が興味を持ったのは、
九相図と腑分図(ふわけず)

九相図とは、
屋外にうち捨てられた美女の死体が朽ちていく経過を九段階にわけて描いた仏教絵画。
修行僧の悟りの妨げとなる煩悩を払い、
現世の肉体を不浄なもの・無常なものと知るための修行。

冬子の九相図は、女性が朽ちて、うじに身体を食べられてもなお、
美しい花を咲かせる養分になり、女性が命を繋いでいく存在だと知らしめる作品でした。
作品自体は、グロテスクだけども、「女に生れてよかった」とちょっとホッとする。
不思議な感覚。

腑分図は、医療目的でもなく、事件性の有無を確認する目的でもない、
現代にはない、「人間の身体の中はどうなっているのか?」を
純粋に知るための解剖を絵にしたもの。
そこには、こわさやわざとらしさはなく、
純粋な人間の好奇心が凝縮された行為として成り立っていました。

冬子は、「兎唇」(生まれながらに唇がさけていること)をモチーフに、
異形としての兎唇ではなく、人間以外の生物にも表れる「兎唇」を、
「脈々と受け継がれるDNAの歴史とうっかりしたDNA組み間違え」として、
描いているように感じました。
ロマンを感じた作品。

重厚感あるブログになったので、ここで一息。

ランチは、中華街で小籠包
スープたっぷりな上海豫園本館の小籠包は、
たまにむしょうに食べたくなるお味。

上海豫園本館
https://www.shanghaiyoen.co.jp/

ランチセットについてきた小籠包、ペロリ。

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追加でオーダーした小籠包、ペロリ。
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この美味しさをおすそわけしようと、
実家と友人の元にもクール便で発送しました。 
さんざん食べたけど、自分の家にも送りたいくらい。
美味しかった

そして、冬子の後は、友人が出演している舞台

劇団「ブスサーカス」
―劣等感が私を狂わせる―
https://takaha-gekidan.net/

を観てきました。
ひどいタイトルですが、こちらも感慨深かったので、
後ほど、ブログに書きます!