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  • 2012.11.16

その「いいね!」本音ですか?~女子会編~(2)

 女性の生き方・働き方に関するツイートやブログが話題のかやさんが、女社会のいいね! を解説。あなたも気付かぬ内に、本音ではないいいね! をしていませんか?

4年前に突然流行りだした「女子会」

かや

 「女子会」。婦人会でもなく、子ども会でもない、女子だけの集まり。辞書にはまだ載っていないものの、すっかり私たちの共通言語となったこの言葉、最初に使い始めたのはどこの誰なのでしょう。


 女子会が一般的なものになったのは、2008年前後だといわれています。どうやら、モンテローザの居酒屋「笑笑」の「わらわら女子会」という女子専用プランから始まったよう。2010年には新語・流行語大賞のトップテンに入り、モンテローザの社長が登壇。
他にもホットペッパーが発端という説、関西の読者モデルたちの集まりが一般読者にも広まったという説など、いくつか起源があるようです。

 私もこれまでに参加した女子会について思い起こそうとしたものの、最近まったく女子会に参加していないことに気づきました。
会社員だった頃はそこそこ「同期の女子会」とか「若手社員女子会」などに誘われていたんですけれどね……と、ここで気付くのが「私は会社の付き合い以外の“女子会”を経験したことがない」ということ。
 たとえば中学校の同級生女子、数名で集まる飲み会のことを、普通は「女子会」とは呼びません。
同級生とは女子というより「中学が同じ、地元が同じ」でつながっているからです。わざわざ「女子」といわなくても、つながる理由があるのです。

男子じゃないアタシたちっていいね!          

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By Adriano Aurelio Araujo

 そもそも女子会というのは、「女性であること」以外に共通項がない人たちの集まりだったのです。
たとえば会社。出身地も出身大学もバラバラ、部署も年齢も異なる女性たちが、あえて男性を排除して集まることで、仕事上の悩みを気軽に話し合える。

 一般的に女性は、男性と話す際、聞く方に回りがちです。
たとえばある研究では、大学生の男女に自由に会話をしてもらったものを記録し、分析した結果、男性の方が「会話への割り込み」が多いという結果が出ています。
男性が女性の話に「で、それってこういうこと?」などと割り込むケースは比較的多い一方、女性は男性よりもあいづちを打つ回数が多い。
何かと男性を気遣ってしまうのが、われわれ女性の悲しき性なのか……別にモテたいわけじゃないんだけどね。
 こう無意識に、男性の話は優先して聞いてあげちゃうというか……合コンでもおしゃべりな女は嫌われるみたいだし。
黙ってニコニコしていた方がモテるんですよね、結局。

 だからこそ男性を入れず、女子だけで集まることに意義があるのです。
社会人になって男性と一緒に働くようになったものの、女としての魅力と仕事人としての魅力のバランスが上手く取れずに、悩んでいる女性は多いことでしょう。
たまには男性からの評価を気にせず「私たちって女子として、ひとまとまりだよね」という安心感に包まれたいのです。
女子会でのいいね! は、もしかすると「男子じゃないアタシたちっていいね!」かもしれません。

女子会の薄っぺら「いいね!」は、ひとつになれたあの頃を思い出すため!?       

 だからこそ、女子会ではダメ出しや批判より「うんうん、分かる」といった共感のコミュニケーションが多くなる。
「席替えで課長の近くになったんだけど、何か臭いの~!」「ウッソー! うちの係長も変な匂いするんだよ~」「分かる~キモいよね~」なんて愚痴は当たり前。
「◯◯ちゃんの仕事のスタイルはこう変えたほうがいいと思う」とか、そういう発言は好まれません。
どうでもいい話、ライトな恋の話(重すぎはNG!)などに3時間も付き合えば、不思議と薄っぺらい満足感があるものです。


 女子会では「女子」という前提を共有することがゴールであり、そこに男子は必要ない。
難しい議論は抜き。また、相手のプライベートまで過剰に踏み込むのもご法度です。あなたの恋がどうなろうと私には「どうでもいいね!」。「いいね~、分かる~」を駆使して互いに共感しあうことが目的です。この薄っぺらさは正直、クセになる。


 そういえば2000年代の後半頃から、大人の女性を「女子」と呼ぶことが一般的になりました。
それまで女性の呼び方は、極端にいえば「女の子」か「オバサン」のどちらか。20代後半以降の女性を指す、中間の定義がなかったのです。
女の子と呼べるほど若くはないけど、まだまだ現役でいたい大人の女性たち。そんな女性たちの後押し(?)で登場したのが「女子」というカテゴリだったのです。

 いまや、20代から40代まですべての女性を包み込む、概念としての「女子」。
思えば「女子」って、学校文化を連想させる言葉ですよね。男子に対しての女子、「男子はアッチ行っててよ!」と言っていたあの感じ。
そこには、ほんのり「平等」の香りさえ漂う。どんなグループに入っていても最終カテゴリは「女子」だったあの頃。
 男子を排除した女子会は、私たちがひとつになれたあの頃を思い出させるのです。
だから薄っぺらい会話の繰り返しでも、半身浴したあとのようなぬるい満足感がある。
本音でコミュニケーションしたかどうかより、感情をシェアできたかどうかの方が重要なのです。
女子とは3人で争ったうえでゲットした1つのホールケーキより、分け合って食べる3分の1のショートケーキの方が美味しいと感じる生き物なのですから。

さて、年末の女子会でのいいね! 本音ですか?


Text/かや

  
次回は『その「いいね」本音ですか?~オカマタレント編~』です。ぜひお楽しみに!

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Text/AM編集部

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