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  • 2013.04.18

秘密を持つことで日常に刺激を…『純白のガーターベルト』(後編)

 前編に続き、『純白のガーターベルト』のヒロイン・ひろみに迫ります。

【大泉りか・官能小説から読み解く、ファムファタールのススメ】
第6回:館淳一・著『純白のガーターベルト』(後編)

大泉りか 官能小説 純白のガーターベルト 館淳一 双葉文庫
By Alaskan Dude

 ランジェリーショップの生けるマネキン『リビングドール』のアルバイトを始めることになった平凡なOLのひろみ。アルバイトを始めるにあたり、ランジェリーショップのマダム、矢野笙子から“あること”を言い遣わされます。それは『常にガーターベルトをつけていること』。マダムに指示される通り、初めてガーターベルトを身につけたひろみでしたが、その感触に驚きを隠せませんでした。

(これが私だなんて信じられない……)
 いや、鏡に映っているのは、間違いなく自分の裸像なのだが、ガーターベルトという下着、サスペンダーによって吊られたガーターストッキングが何か不思議な力を発揮して、ありのままの自分の肉体を非常にエロティックな生き物に変容させているような気がした。
(中略)
(あー、これがマダムの言ったガーターベルトの感覚か)
 数歩歩いただけで、ひろみはそう実感した。
 ピンと伸びたサスペンダーが腿に触れる感覚と、吊られたストッキングの上端の部分が動きによって伸びたり縮んだりして、ナイロンが肌に擦れる感覚が、パンティストッキングでは絶対味わえない、くすぐられるような、微妙にスリリングな刺激を与えてくれるのだ。
「どう?」
「はい……、何か奇妙な感じですね。太腿のところを誰かに触られるというか撫でられるというか……そんな感じです」
「ふふ、まさにそれが、女たちの中にガーターストッキング愛好者を生む理由の一つね。
セクシーに見えるとか、パンストのように股の部分が蒸れないとか、いろいろな利点があるけれど、太腿の皮膚感覚をいつも刺激してくれることこそ、ガーターストッキングの醍醐味なのよ。
なぜなら女は女性ホルモンによって、太腿に与えられる感触に敏感なように作られているから」
(『純白のガーターベルト』P35L14-P37L14)

 いくら普通に振舞っていても、太腿に擦れるガーターストッキングの感触は、ひと時なりともその存在を忘れさせてはくれず、階段を昇ったり屈んだりの動作の度に「誰かに気づかれたらどうしよう……」と心臓は高鳴ります。
そう、スカートの下にガーターベルトという秘密を持つことで、女は刺激的な日常を手に入れることができるのです。
そして、その刺激的な日常はイコール女磨きに通じます。
スカートの下の秘密がバレてしまわぬよう、自然と動作は女らしく、エレガンスになることは想像に難くありません。

大泉りか 官能小説 純白のガーターベルト 館淳一 双葉文庫

書名:『純白のガーターベルト
著者:館淳一
発行:双葉文庫
価格:600円(+税)

 こう考えると、最初から身につけていることが周囲にまるわかりの『見せガーターベルト』と密やかな『下着としてのガーターベルト』とは天と地の差があることがわかります。
わたしはビッチなファッションが好きなので、『見せガーターベルト』も継続しますが、これをきっかけに『見せないガーター』にも挑戦してみようかな、と思いました。
ずりあげる面積が少ない分だけ、伝線をしにくいという実利的なメリットもあるとのことなので、「ガーターベルトなんてエロい」と人のメイクセクシーをひっぱる女に非難されたら「エコいんです!」と堂々胸を張って応えればいいのです。
ガーターベルトに魅せられたひろみ。リビングドールだけでは飽き足らず、秘密サロンに入店し……ひろみの性的探訪の結末は単行本でお楽しみください!

 次回は、「男によって変えられていく…『私の奴隷になりなさい』(前編)」をお届けします。

Text/大泉りか

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ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。

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