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  • 2013.01.18

勝手にタレント名鑑 第12回:壇蜜は日本のセックス・シンボルになれるのか?

壇蜜は国家に派遣されたセクシー・エージェント?

Nurture By rickyqi
©By Henry__Spencer

 2012年のグラビア界を席巻したニューフェイスといえば、壇蜜をおいて他にいないでしょう。

 29歳という異例の遅漏でグラビアデビューを果たした彼女は、2011年に『週刊SPA!』の人気連載『グラビアン魂』に取り上げられて世間の視姦を集めます。
雑誌やDVDでは「え、そこはまだ女性器じゃないの?」と素朴な疑問を抱くほど限界ギリギリの着エロを御開帳。
イキすぎた低年齢化とのアクメイ高いアイドル業界において、妖艶な大人の色気を武器にその存在感をムクムクと勃起させていきました。

 2012年の下半期に、TBS系『サンデージャポン』でテレビ出演をガンギメした後は、映画『私の奴隷になりなさい』に出演して人気はイッキに絶頂を迎えます。
年が明けてもその勢いは中折れすることなく、今ではテレビで彼女を見ない日はありません。
「もっと(テレビの)中に出して!」と言わんばかりの多忙ぶりは、イキヌキする暇もないほど。
まさに、昨年もっともテクノブレイクしたグラビアクイーンと言えるでしょう。

 経歴を紹介するだけで、いくつも淫語を使いたくなってしまうほどのセックス・シンボル。
壇蜜は、自分が男性の“性の対象”であることを真正面から引き受けることができる、いまどき貴重な“大人のアイドル”だと言えます。

 というのも、現代の日本は“一億総ロリコン社会”とも言うべき異常な状況にあるからです。

 私はふと、このように思うことがあります。
ひょっとして壇蜜とは、政府の少子化対策担当が国策として世に送り出した、国家機密のエージェントなのではないかと――。

ロリ大国・ニッポンに大人のエロスを!          

Nurture By rickyqi
©séance photo

 現代は“一億総ロリコン社会”です。

 アイドルは10代前半でデビューするのが当たり前。
早くも20代で「劣化した」などと言われ、ほどよいところで女優やママタレントへの転身を余儀なくされます。
グラビアはもっと残酷です。飽きられたら水着からヌードへ、着エロからアダルトへと転向するか、さもなくば引退しか道はありません。

 それに、いまどきの10代の女の子は顔も体も早熟。
その一方で、成人女性もまた“オトナ女子”や“美魔女”という名のもとに、自ら“ロリ化”しようとしており、その外見の差異はどんどんなくなってきています。
どんなに「自分は絶対にロリコンではない」という自信がある男性も、年齢さえ知らされなかったら、10代の子をうっかり“性の対象”として見てしまう危険性を避けられないのです。

 つまり、「女性は若ければ若いほど価値がある」という価値観に毒された結果、私たちは“恋の歌を歌わされているのに恋愛禁止”“大人の体をしているのに手を出したら犯罪”という倒錯した女の子に魅力を感じてしまう、ねじれた欲望の中に身を置かされているわけです。

 そんなロリコン化が進行してしまった社会で、男たちは正しく成熟した大人の女性と、まともに恋愛や結婚をすることができるでしょうか?
答えはノー。
フランス語だと「ノン」です。

 そこで、現在32歳の壇蜜の登場というわけです。

 すっかりロリ化した男性の性的欲望を矯正し、男たちが再び大人の女性を見て正しくエレクチオンできるように、テレビを通して全国のお茶の間に手ほどきしてあげる。
まさに、国家規模による少子化対策のプロパガンダ以外に考えられません。

 これは、私の脳に直接電波で送り込まれてきた情報なので、間違いないですよ!

32歳ですら“大人のコスプレ”が必要に

 しかし、そんな壇蜜に対して「すっごくエロくていいよね!」という声がある一方、「全然エロくない。なにがいいのかわからない」という人もいます。
そしてたしかに、彼女のセックス・アピールには、妙な“ぎこちなさ”を感じてしまうのもまた事実です。

 黒髪、知性を感じさせる丁寧な言葉遣い、昭和の香り色濃い退廃的なエロス、芸名を仏教用語からとる“死”と“はかなさ”のニュアンス、全体から漂う和テイスト、などなど……。

 彼女が身にまとう過剰な要素の数々に、どこか「90年代の椎名林檎っぽさ」というか、もっと言ってしまえば、「無理して大人を演じてる中二病っぽさ」を感じないでしょうか。
32歳といえば、それだけで十分な大人のはずなのに、なぜでしょう、彼女はわざわざ「大人のコスプレ」をしているように見えるのです。

 たとえるなら、「背伸びした吉木りさ」以上「未熟な杉本彩」未満、くらいのイメージ。
ご本人も、実際はもっとキャピキャピした感性を持っている人のような気がします。

 いま、「キャピキャピ」という最高にダサいボキャブラリーが出てきた自分にもびっくりしましたが、つまりこれは裏を返せば、もはや“32歳ですら”大人のコスプレをしなければ大人を演じきれないほど、私たちの「心のロリ化」も進んでいるということではないでしょうか。

 肝心のエロスの表現にしても、彼女は「こうすれば男がエロいと思ってくれるだろう」というしぐさやふるまいをするのはとても上手ですが、そこには「私がこうしたいのだ」という大人としての主体的な性欲をあまり感じません。
ものすごく語弊のあるたとえをするなら、“木嶋佳苗”とかのほうがよっぽどセックスに貪欲そうに見えます。

 残念ながら今の日本では、木嶋佳苗のようなモンスターになってしまうか、少なくとも“叶恭子”レベルの女傑にならなければ、大人の女性が「オンナ」という性を主体的に使いこなすことを許されていないような気がしてしまうのです。

 そんな性的にも未熟なロリ化した国で、いびつで奇形的な“セックス・シンボル”をたったひとり演じさせられている壇蜜さん。
今後、彼女のようなエージェントが次々と派遣されるのかどうかは、まだ政府からの秘密電波を受信していないのでわかりません。

Text/Fukusuke Fukuda

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ライタープロフィール

福田フクスケ
フリーライター。“くすぶり男子”の視点から恋愛やジェンダー、セックスなどを考察。

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