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  • 2012.08.07

写真みたいにリアルでドラマティックな写実主義絵画に感動!『レーピン展』

 19世紀後半から20世紀初頭にかけてのロシアは、文学ではトルストイやドストエフスキー、音楽ではチャイコフスキーやムソルグスキーといった数多くの偉人を輩出してきました。
やがてロシア革命に至るそんな激動の時代に、美術の分野で活躍したのが写実主義の画家イリヤ・レーピンです。
社会の矛盾や革命運動をテーマにした衝撃的な作品を発表する一方、鋭い観察眼による文化人たちの肖像画、家族や友人を描いた心温まる肖像画などたくさんの作品を残し、ロシア・リアリズムの頂点に立ちました。

レーピン展
イリヤ・レーピン《思いがけなく》1884-1888年 油彩・キャンヴァス 国立トレチャコフ美術館所蔵 ©The State Tretyakov Gallery

 8月4日(土)~10月8日(月・祝)まで、Bunkamuraザ・ミュージアムで開かれている『国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展』は、そんな近代ロシア絵画の巨匠・レーピンの日本における過去最大の回顧展です。
ロシア美術の殿堂であり、世界最大のレーピンコレクションを誇るモスクワの国立トレチャコフ美術館の収蔵品約80点で構成された本展は、彼の画業の初期から晩年まであらゆる油彩画や素描を取り揃えています。

レーピン展1
イリヤ・レーピン《休息―妻ヴェーラ・レーピナの肖像》1882年 油彩・キャンヴァス 国立トレチャコフ美術館所蔵 ©The State Tretyakov Gallery

 たとえば、自身の妻を描いた『休息―妻ヴェーラ・レーピナの肖像』は、写真かと見まがうほどの美しさに思わず息を呑む写実主義の極致。
刑地に送られた父親が思いがけず早く帰還してきた家族の戸惑いを描いた『思いがけなく』は、人々の表情にさまざまなドラマを読み取ることができる傑作です。
また、『日向で―娘ナジェージダ・レーピナの肖像』など後期の作品には、印象主義の技法を取り入れた作品も目立ちます。
 たくさんの情報とドラマが描きこまれたレーピンのリアリズム作品は、観る者を感動に誘うこと間違いなし。
芸術の秋を一歩早く先取りして、ストレートかつストイックな絵画の魅力を再確認してみてはいかがでしょうか。

名称:『国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展』
会期:2012年8月4日(土)~10月8日(月・祝) 開催期間中無休
開館時間:10:00~19:00 毎週金・土曜日は21:00まで ※入館は各閉館の30分前まで
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム(渋谷区道玄坂2-24-1)
入館料:当日 一般1,400円 大学・高校生1,000円 中学・小学生700円

問合せ:03-3477-9413
URL:http://www.bunkamura.co.jp/

Text/Fukusuke Fukuda

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