セックスに深いコミュニケーションを求めるも
心が通じ合ってなきゃだめじゃん! と正気に
―恋愛できなかった場合、内向的になってしまう人の方が多いと思うのですが、なぜ雨宮さんがそちらに振り切れたのか気になります。すっごい振り切れ具合だなと感じたので。
雨宮:もともと振り切れがひどかった、というのがあると思うんです。
オタクだった時期も、スイッチ入るの早かったので、すぐ同人誌とか作りましたし。
今の時代はオタクといっても、恋愛から遠いなんてことはないですけど、私の時代は彼氏とか彼女ができない子がちょっと現実逃避をするみたいな感覚がありました。
それに癒されていたんですけど、心のどこかで「楽しいけど、これにずっとハマっていたら私は本当に一生恋愛できないまま終わってしまう」という危機感があって。
「たぶん誰も助けてくれないし、自分の意思でなんとかしないと扉は開かないな」とは思っていたんですよね。
それで取った手段が、「恋愛が無理ならせめてセックスできればいい」っていう、脱線しながら走っている機関車みたいな感じの手段で(笑)。
―セックスでのコミュニケーションを求めたんですね。
雨宮:そうですね。人に心を開くのが苦手だったので、恋愛じゃなくても深いコミュニケーションを求めていたんでしょうね。
人の前で裸になるって、大変なコミュニケーションじゃん! と、思っていたんです。自分にとってはものすごくハードルの高い行為でしたしね。
でも、実際してみると、セックスしても心が通じあっているわけじゃない。そこに気付くまで時間かかりましたね(笑)。
―それを気付くのはまだまだ後なんですか?
雨宮:はい。変に知恵がついているから、性的に突き抜けた人の名言とかははいってくるんですよ。
「快楽は快楽だけでいいのよ」みたいなこと言うじゃないですか(笑)。
私もそうならなきゃいけないとか思っちゃって、「寂しいとか思ってる私はまだまだ修行が足りん!」って、自分の求めてるものには目をつぶって、快楽だけで満足できない自分を責めてましたね。
雨宮まみ
ライター。九州生まれサブカル育ち。守備範囲は「セックス&自意識&女のあれこれ」。
赤裸々な半生を綴った『女子をこじらせて』(ポット出版)は全国のこじらせ女子に大きな影響を与える。
現在、「女子」を語らせたら、この人! という5人を迎えての対談集『だって、女子だもん!!』(ポット出版)が絶賛発売中。
ツイッター:@mamiamamiya
次回は熱烈にアプローチされ恋愛観がまた変わっていく雨宮さんに迫ります。ぜひお楽しみに!
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Text/AM編集部