「流川楓親衛隊」は典型的な“カメレオン女”!
『スラムダンク』に出てくる典型的な“カメレオン女”タイプといえば、「流川楓親衛隊」と呼ばれた流川ファンの女子生徒でしょう。
初期メンバーだった3人をはじめ、最後まで名前すら与えられなかった彼女たちは、まさに生粋のモブキャラ。ナチュラル・ボーン・ザコです。
その原因は、「流川命」の旗印のもと、誰かひとりが名前を名乗って抜け駆けしたり、キャラ立ちすることを許さない、メンバー内の同調圧力があったからに違いありません。
「アタシのこと、もっと流川クンに見てほしいけど……ヘタに動いてこいつらにハブられたら怖いしな」
「ホントは花道ってけっこうカッコイイかも……でもみんなの手前、アタシも嫌いなフリしちゃった」
「一応“流川推し”ってことにしてるけど、実はアタシ、木暮センパイが……」
親衛隊の中にも、本当はこんな気持ちの子だっていたはず。
でも、“カメレオン女”は周りの目を気にして、こうした自分の欲求をおさえこんでしまいます。
それがデフォルトになっていると、いつしか自分の本当に好きな人さえ見失い、幸せを逃してしまうハメになるでしょう。
流川への気持ちは単なるミーハー心!?
そう考えると、流川のファンを公言していたハルコもまた、周囲の“流川LOVE”なムードに流され、花道への気持ちを自覚できずにいる“カメレオン女”予備軍だった可能性があります。
そう、“カメレオン女”は、周囲の評価に流されて、自分が本当に惹かれている男性を“恋愛対象”として自覚できないケースがあるからやっかいなのです。
花道は当初、赤毛のリーゼントで、周りからも不良扱いされて怖がられていました。
そんな男に自分から話しかけるくらいですから、ハルコはもともと花道に対して“メスがうずいた”部分があったのではないでしょうか。
でも、思春期の女子ってまだまだ自分の中の性欲やフェチズムに無自覚。
とりあえず、周りがキャーキャー言ってる“わかりやすいイケメン”を手っ取り早く好きになったりするじゃないですか。
ハルコも、半ばそういった“カメレオン女のミーハー心”から流川に片思いしていただけだったのではないかと思うのです。