他人の猥談はディティールを掘り下げろ!

――逆に、相手から面白い猥談を引き出すコツはありますか?

相手に話してほしいときは自分から話すこと。あと「この人だったら、なに話しても大丈夫だろう」と思われることですね。

その点、僕は「エロデューサー」を名乗ってるので人より聞きやすくて、TwitterにもエピソードだけのDMがよく来るんですよ。
「セフレの家に整理整頓されたCDがあると思ったら、ぜんぶ調教モノのDVDでした」とか。「ぱっと見めちゃくちゃ真面目な書店員なんですけど、ド変態です。ド変態野郎です」って自ら告発してきたりとか(笑)

――たしかに、ポインティさんはなんでも聞いてくれそうな雰囲気がありますね。

話を聞くときは「この人こういうセックスをしそう」って偏見が混じりがちですよね。でも実際に聞いたら、年イチでニューヨークに行ってキメセクしてるかもしれない。それって予想できないし、「普段どんなプレイしてるの?」みたいな質問だと出てこないんです。

だから、こっちが聞きたい猥談を聞くっていうよりは「いろんな話が聞きたいよ〜」って雰囲気でいる方が、予想外な話をもらえますね。

――どんな話でも引かない度量の広さが大事なんですね。

あとはディティールを細かく聞くといいと思います。本人が当たり前だと思って話してないところが、意外と面白かったりするので。

この前も「家で普通にセックスしたんですよ」とだけ言われたので、「家に着いてからセックスまでの流れ、気になる!」って深掘りしたら、「24時ごろに家ついて、人生ゲームしたんです」って言う。

「人生ゲーム!? 普通にセックスしたんじゃないの!?」って(笑)

家の中って言っても、現場が玄関だったりソファベッドだったりするじゃないですか。僕はそういう細かいところが好きだから、流れをよく聞くんですよ。
「どっちがエロい雰囲気を出し始めたの?」とか、「なんて言ってベッド行ったの?」とか。そのあとのプレイ内容は普通でも、手前のほうは個人によって違うから。

――始まる直前の流れは、女子会でも盛り上がります。

でも、この前はパンチある女の子がいて。
みんなで「生理中にセックスする?」って話をしたんですが、その子がよくSMプレイをする相手はベッドにいつもブルーシートを引くんですって。でもそのときは生理中だったから、電マ当てたらブルーシートが殺人現場みたいになった、と。

その話はもうそれで完成してますよね(笑)

細かく聞くのが野暮なこともあるし、めっちゃ面白いこともある。聞いてる自分が満足したかどうかです。まだ満足しなかったら、「どうやってホテル誘ったの?」とか「なんで家いくの?」とか、ほんとに初歩的なことを聞くと意外と面白かったりするんですよ。

恋愛のコンテンツ化には、ツッコミ視点が大切

佐伯ポインティ

――今回の特集は「恋愛をコンテンツにする」なんですが、ポインティさんも自分の恋愛をなにかコンテンツにすることはありますか?

今の彼女はめっちゃ面白くて、僕の想像を超えてくることが多いんですよ。だから、はあちゅうさんがインスタで「旦那観察日記」を描いてるみたいに、僕も漫画が描けたらな〜って思いますね。

この前も、彼女をテレフォンセックスに誘ったら「いまそういう気分じゃない」って断られたんですよ。でも電話してたらお互いムラムラして。向こうがTバックのお尻とか写してくれるから、「うわむっちゃムラムラするから無理だわ! テレフォンセックスしようよ!」って言ったら、「いや、しない」って。

「じゃあ俺オナニーするね」って言ったら、「私もムラムラするからオナニーしてくる。じゃあね」って。それなら、テレフォンセックスすればいいじゃないですか。
マイルールで生きてんな〜!って思いました(笑) 

――それはたしかに彼女がしみけんさん側ですね。

彼女は美大卒だから絵が描けるんですけど、僕は描けない。役回りが逆なんですよ。一度、彼女に漫画を描いてもらったら「え、そこ選ぶの!?」ってエピソードだったし(笑)

だから、恋愛をコンテンツ化するときは「相手の面白いところをツッコミながら、コンテンツにできるかどうか」が大事ですよね。

はあちゅうさんは視点がツッコミじゃないですか。ツッコミの感覚がすごいので、「旦那観察日記」が面白いんだと思います。ああいう素敵なコンテンツ、結婚したらやってみたいです(笑)

Text/AM編集部